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私たちが「宇都宮連続爆発事件」の犯人に請求できる賠償金は少なすぎる?

車の補償には車両保険が必要

 責任は誰にもないとしても、家の火災保険や車の自動車保険など民間保険の補償は当然、受けることができます。

 明確な加害者(今回は容疑者)がいる場合、「被害の補償はまずそちらに請求すべきで保険は使えない」と勘違いしている人が多いようですが、これは誤解です。

 被害がある以上、黒焦げになった住宅の壁面は火災保険で修復することができるはずです。

 ただし、車に関しては少し事情が異なり、車本体の保険である車両保険を追加している必要があります。通常の自動車保険は「対物」「対人」など、第三者や器物に被害を与えてしまった際の保険であり、今回のような事例で補償を受けることは難しいでしょう。

 損害保険協会のデータによると、宇都宮のある栃木県の車両保険の加入率は37.4%。この数字だけを見れば、半分以上の車は保険の補償を受けることができず、また相続放棄をされた場合は完全に“泣き寝入り”になってしまいます。

「犯罪被害給付制度」は最大120万円給付

 最も深刻な「けがの治療費」ですが、理屈は家や車と同じで、相続放棄されてしまえば、責任の所在はうやむやになってしまいます。

 被害に遭った人が自分で加入している医療保険などがあれば、もちろん給付対象になりますが、加入していない場合は完全に自己負担になってしまいます。

 こうした人のためのセーフティーネットとして、国は犯罪被害給付制度という補償制度を設けています。けがの場合、治療費や休業補償を考慮し、最高120万円までの給付を受けることができ、犯罪被害に遭った人にとっては心強いと思います(死亡や後遺障害などに関しても規定あり)。

 こうした犯罪に巻き込まれた人からすれば、大事な身体や家、車などの資産を傷付けられ、さらに金銭的負担を負うことは理不尽以外の何ものでもありません。身勝手な男性の行動の代償は、何の罪もない人に押し付けられている、とも言えるのです。

(株式会社あおばコンサルティング代表取締役 加藤圭祐)

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加藤圭祐(かとう・けいすけ)

あおばコンサルティング代表取締役、1級FP技能士、宅建士

大手外資系生命保険会社にて11年間、個人・法人のコンサルティング業務に従事。2015年に株式会社あおばコンサルティングを設立。日本初の、チャットでのお金のサービス「みかづきナビ」を開始。現在ではzoomも活用し、FP相談や保険相談で顧客の課題解決に取り組んでいる。みかづきナビ(http://www.mikazuki-navi.jp/)。

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