“おなかポッコリ”は食べ物が原因? 管理栄養士が教える“おすすめ食材”
おなかだけ太る場合、どのような原因が考えられるのでしょうか。管理栄養士に聞きました。

手足は太っていないのに、おなかだけ太りやすくて悩んだ経験がある人は多いと思います。なぜ腹部だけ太るのでしょうか。腹部だけ太る原因やおすすめの食材などについて、管理栄養士の松田加奈さんに教えていただきました。
納豆を摂取するのがお勧め
Q.腹部だけ太りやすい場合、どのような原因が考えられますか。栄養や生活習慣などの観点で教えてください。
松田さん「腹部だけ太る場合、ホルモンバランスや代謝など、さまざまな原因が考えられます。おなかだけ太るのが顕著になるのは55歳以上です。特に女性は閉経によって女性ホルモンが減り、男性ホルモンが増えるので、おなかに内臓脂肪がつきやすくなる傾向にあります。60代になると手足は太っていないのにおなかが出てくる人が増えてきますね。
また、女性は運動習慣がない人が多く、運動不足になりがちです。加えて、50代後半以降になると代謝が大きく下がるので、少し食べるだけでも太るようになってしまいます。
他にも肉が昔ほど食べられず、タンパク質ではなく糖質を多く取ることなどが太りやすくなる原因です。さらに、タンパク質不足で筋力が弱まって内臓を支えられなくなることで、おなかが出てくるというケースもあります」
Q.腹部だけ太ってしまった場合、うまく痩せることは可能なのでしょうか。
松田さん「腹部だけ太ってしまい痩せたい場合は、お菓子やパン類、小麦粉類、ラーメン、カツ丼、カレーなどの摂取を控えるのがお勧めです。どうしてもこれらの食べ物を取り過ぎてしまいやすいので、食べる機会を半分に減らすなどの工夫をするとよいでしょう。
また、週2回程度のウオーキングもお勧めです。しかし、運動習慣がない人が運動を続けるのは難しいでしょう。その場合、まずは猫背ではなく姿勢を良くするように心掛けるのが有効です。胸を張ってまっすぐ立ち、体幹を鍛えると良いでしょう。おなかを引き締める筋肉は腹筋ではなく、体幹筋という体の奥の筋肉です。まっすぐ立って大股で歩いたり、階段を上ったりするだけでも体幹筋を鍛えることができますよ。
さらに、毎日体重を測ったり、入浴時に自分の体を鏡でチェックしたりするのもお勧めです。体重を測っておらず、いつの間にか体重が増えていたという人は少なくありません。定期的に自分の状態を把握しておきましょう」
Q.腹部だけ太るのを避けるには、普段からどのような食べ物を摂取するのが望ましいのでしょうか。
松田さん「特に女性の場合、納豆を摂取するのが一番お勧めです。イソフラボンは女性ホルモンに似た作用があります。他にも、卵や豆類、海藻類、豆乳は安価で手に入れやすいです。例えば、納豆ご飯に卵をかけ、ワカメと豆腐を入れたみそ汁を飲むだけでも栄養がしっかり取れますし、手軽なのでお勧めですよ。
もし食事をたくさん食べた場合は、翌日の食事は控えて食事量を調節すると良いでしょう。また、たくさん食べるとその分塩分も摂取してむくむので、生野菜や果物を摂取するのもお勧めです。水分を1.5リットルほど摂取するのも良いですね」
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おなかだけ太るのは、加齢によってホルモンが減ったり代謝が下がったりすることが原因だということが分かりました。食事に気を配るとともに、良い姿勢を保つように心掛けられるとよいですね。
(オトナンサー編集部)
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