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「大型犬はいるのに大型猫はなぜいないのか」…話題のツイートを法的側面から検証

「大型犬はいるのに、大型猫はなぜいないのか」。とあるツイッターユーザーのつぶやきが大きな話題を呼んでいます。もし大型猫を作って、それを飼育・販売したいという人がいるとして、その人を待ち受ける“法的問題”はどのようなものでしょうか。

もし大型猫が実現したら…

 「大型犬はいるのに、大型猫はなぜいないのか」「品種改良をして作ることはできるが大型猫は猛獣になるから作っていない」――。

 9月上旬、あるツイッターユーザーと地方の国立大学教員の間で行われた、この奇妙なやり取りが話題になりました。このつぶやきは、9月20日時点で4万3000回以上リツイートされています。

 「大型猫は猛獣になるから作っていない」という発言の真意は不明ですが、実際に大型猫を作ったり、商品化したりする場合、どのような法的問題が生じうるのでしょうか。

 オトナンサー編集部では、弁護士の牧野和夫さんに話を聞きました。

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「特定動物」を飼う人は許可が必要

 まず問題は大型猫が「猛獣」に該当するかどうかですが、牧野さんによると答えは「ノー」です。

 動物愛護法は「人の生命、身体又は財産に害を加えるおそれがある動物として政令で定める動物(=特定動物)の飼養又は保管を行おうとする者は、環境省令で定めるところにより、特定動物の種類ごとに、特定動物の飼養又は保管のための施設の所在地を管轄する都道府県知事の許可を受けなければならない」(26条)としています。

 牧野さんによるとネコ科の特定動物は現在、チーターやプーマ、ヒョウ、オオヤマネコなどで、新しい種である大型猫は規制対象外。しかし実際に大型猫が登場すれば、「指定される可能性は高いでしょう」(牧野さん)。

 つまり大型猫を飼いたい人は許可が必要になる可能性が高いようです。

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牧野和夫(まきの・かずお)

弁護士(日・米ミシガン州)・弁理士

1981年早稲田大学法学部卒、1991年ジョージタウン大学ロースクール法学修士号、1992年米ミシガン州弁護士登録、2006年弁護士・弁理士登録。いすゞ自動車課長・審議役、アップルコンピュータ法務部長、Business Software Alliance(BSA)日本代表事務局長、内閣司法制度改革推進本部法曹養成検討会委員、国士舘大学法学部教授、尚美学園大学大学院客員教授、東京理科大学大学院客員教授を歴任し、現在に至る。専門は国際取引法、知的財産権、ライセンス契約、デジタルコンテンツ、インターネット法、企業法務、製造物責任、IT法務全般、個人情報保護法、法務・知財戦略、一般民事・刑事。

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