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「もう別れる」「やっぱり別れない」を繰り返したカップルに幸せは訪れる? 紆余曲折を経て結婚した2組の結末

憧れのマスターも、いざ結婚してみたら…

 知世さん(40歳、仮名)はバツ2で、2人の子どもがいます。

 お酒好きの知世さんの楽しみは、夜、同居する母親に子どもたちを任せて、近所の行きつけのバーで常連さんたちとお酒を飲む時間。知世さんは、バーのマスターである10歳年上の男性が気になっていたのでした。

 あるとき、常連さんたちが来る前に2人きりになったのをきっかけに、マスターと知世さんは良い仲になります。マスターは「お客さんと付き合うのは自分の中のルール違反だ」と思いながらも交際。常連さんに「2人の交際は内緒に」とお願いしました。

 しかし、目の前で若い女性客と楽しげに会話するマスターの姿を見て、ヤキモチを焼く知世さん。何度も「みんなに、自分のことを彼女として公表してほしい」と詰め寄りますが、その度に断られ、知世さんは「じゃあ別れる」と膨れっ面。

 マスターから「俺は知世と一緒にいたいんだよ」と言われると、ほだされて別れるのをやめる。けど苦しい……という日々が3年ほど続き、ついにマスターと知世さんは結婚することになります。子ども2人がマスターに懐いたことがきっかけでした。

 ところが、結婚してしばらくすると、知世さんは「マスターが汚い」と愚痴り始めます。店が終わり、夜遅く帰って来て、歯も磨かずにそのまま寝てしまう。何度も「不潔だから、ちゃんと歯を磨いてお風呂に入って寝てほしい」と言っても聞いてくれない、もう耐えられない、と。さらに、加齢臭がキツくてしんどい、お風呂も入ってないのに求めてきて本当に嫌だ、と。結果、子どもたちを連れて、知世さんは家を出てしまいました。

「一緒に暮らさないと分からなかった嫌なところがどんどん見えてきて。一気に気持ちが萎(な)えてしまいました。バーのオーナーだから羽振りがいいかと思ったけど、実は借金持ちだということも結婚してから知りました。まだ離婚できていませんが、早く離婚してさっぱりしたいです」

 カップルが「別れる、別れない」を繰り返し、それを乗り越えて結婚したからといって、うまくいくとは限りません。別れたいと思うのにはいくつもの理由がありますが、それを全部修正してから結婚するなど、あり得ないこと。相手に完璧を求めると、すぐ“別れたい病”になってしまいます。

 嫌なところ、苦手なところをひっくるめて受け入れるマインドを持たなければ、愛は継続しません。振り返れば自分にも、欠点や相手が気に入らない点は複数あるわけですから、お互いさま。相手は変わりません。変われるのは自分だけ。すぐ別れたくなる人は、胸に手を当てて、自分の悪い部分も探り出してみてください。

(「恋人・夫婦仲相談所」所長 三松真由美)

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三松真由美(みまつ・まゆみ)

恋人・夫婦仲相談所 所長(すずね所長)・執筆家

夫婦仲・恋仲に悩む女性会員1万3000名を集め、「結婚・再婚」を真剣に考えるコミュニティーを展開。セックスレス・ED・女性の性機能に詳しく、性を通して男女関係をよくするメソッドを考案。20代若者サークルも運営し、未婚世代への結婚アドバイスも好評を呼ぶ。恋愛・夫婦仲コメンテーターとしても活躍中。また、フェムテックの分野で女性を支援する企業「Glad」を創業し、新しいサービスを手掛けている。著書は「夫婦の『幸せ循環』を呼ぶ秘訣」(講談社)「モンスターワイフ」(同)「40歳からの女性ホルモンを操る53の習慣」(扶桑社)「堂々再婚」(wave出版)など多数。コミック「『君とはもうできない』と言われまして」(KADOKAWA)の監修も手掛ける。恋人・夫婦仲相談所(http://fufunaka.com/)、公式note(https://note.com/suzune_16)、Glad(https://www.glad.tech)。LINE登録で「夫婦仲チェックシート」を無料プレゼント(https://fufunaka.com/archives/lp/line)。

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