オトナンサー|オトナの教養エンタメバラエティー

【50歳ひきこもり男性】脳梗塞で右半身まひ 「障害年金」請求できる? “保険料未納”の過去も

保険料の納付要件は障害ごとに判断される

 統合失調症で障害基礎年金を受給することができなかった守さんは、その後もひきこもりのような生活を続けていました。不規則な生活と不摂生のためか、先述のように、48歳のときに脳梗塞を発症し、病院に緊急搬送されました。

 緊急手術を受け一命を取り留めることはできましたが、右半身にまひが残ってしまいました。手術後からリハビリを続けてきましたが、現在も右半身をほとんど動かすことができないそうです。

 そこまで話を伺った私は、母親に守さんの国民年金保険料の支払い状況を確認しました。すると、守さんの国民年金保険料は、27歳当時に年金事務所で相談した後から現在まで、母親がしっかりと支払っているとのことでした。

 そこで私は母親に次のように言いました。

「障害基礎年金の受給を諦める必要はありません。守さんは脳梗塞による右半身まひで障害基礎年金を請求することができると思います」

「それは本当ですか! 以前、年金事務所で『障害基礎年金の請求はできない』と言われたのに、大丈夫なのでしょうか」

「ご心配はいりません。保険料の納付要件はその障害ごとに判断されるからです。脳梗塞による右半身まひでは、病院に緊急搬送された日(初診日)の前日において、初診日がある月の2カ月前までの直近1年間に保険料の未納期間がないと思われるからです。もちろん、守さんの年金記録は年金事務所できちんと調べてもらう必要がありますが、恐らく大丈夫でしょう」

 それを聞いた母親は、ほっとした表情を見せました。

 母親との面談後、守さんの同意を得た私は年金事務所で記録を調べてもらいました。すると脳梗塞で緊急搬送された日の前日において、保険料の納付要件を満たしていることが確認できました。

 つまり、守さんは右半身まひの障害で障害基礎年金を請求することができるということです。

 請求権利があることを確認した私は、速やかに障害基礎年金の請求に必要な書類をそろえ、請求を完了させました。

 請求から3カ月がたった頃、守さんの障害基礎年金の受給が認められたと母親から連絡がありました。

「おかげさまで障害基礎年金の受給が認められました。息子はもう二度と障害基礎年金を受給できないものと思って諦めていたので、本当に助かりました。このたびはどうもありがとうございました」

 母親は心からほっとした声でそう言いました。

(社会保険労務士・ファイナンシャルプランナー 浜田裕也)

【画像】年金保険料の“未納”に注意! これが「障害年金」が受給できない“事例”です

画像ギャラリー

1 2

浜田裕也(はまだ・ゆうや)

社会保険労務士、ファイナンシャルプランナー

2011年7月に発行された内閣府ひきこもり支援者読本「第5章 親が高齢化、死亡した場合のための備え」を共同執筆。親族がひきこもり経験者であったことから、社会貢献の一環としてひきこもり支援にも携わるようになる。ひきこもりの子どもを持つ家族の相談には、ファイナンシャルプランナーとして生活設計を立てるだけでなく、社会保険労務士として、利用できる社会保障制度の検討もするなど、双方の視点からのアドバイスを常に心がけている。ひきこもりの子どもに限らず、障がいのある子ども、ニートやフリーターの子どもを持つ家庭の生活設計の相談を受ける「働けない子どものお金を考える会」メンバーでもある。

浜田裕也(はまだ・ゆうや) 関連記事

もっと見る

編集部おすすめ記事

ライフ 最新記事

ライフの記事もっと見る

コメント

CAPTCHA