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【猛暑】いつもの生理痛だと思っていたら「熱中症」だった…産婦人科医に聞いて分かった“両者の見分け方”とは

暑い夏は「生理中の外出が特につらい」と感じる女性も多くいます。生理中は熱中症になりやすいという話もありますが、真偽について産婦人科医に聞いてみると……。

生理中は熱中症になりやすい?
生理中は熱中症になりやすい?

 今年も連日、猛暑日が続いています。暑さで倦怠(けんたい)感が出やすくなっている人もいると思いますが、女性の中には「夏は生理中の外出が特につらい」「ただでさえ暑さで倦怠感があるのに、生理が始まるとさらにしんどい」と、夏の暑さと生理のつらさによるダブルパンチに苦しんでいる人も多いと思います。

 一方、生理痛と熱中症の症状が似ていることから、「いつもの生理痛だと思っていたら、熱中症だった」というケースもあるようで、「生理痛なのか熱中症なのか分からない」「生理中は熱中症になりやすいの?」といった疑問を感じている人もいます。

 実際のところ、生理中は熱中症になりやすいといえるのか、そして生理痛と熱中症の“見分け方”のポイントはあるのか……そんな疑問について、神谷町WGレディースクリニック(東京都港区)院長で産婦人科医の尾西芳子さんに聞きました。

生理痛の症状は「熱中症の初期」にもみられる

Q.「生理中は熱中症になりやすい」というのは、事実といえますか。

尾西さん「はい。生理中は、出血や女性ホルモンの変動による下痢などで体内の水分が出ていきやすいため、脱水気味になります。脱水症になると、体の熱を逃がす機能が弱くなるため、熱中症になりやすいといえます」

Q.生理痛と熱中症について、「生理痛がいつもより重いと思っていたら、熱中症だった」「見分け方が分からない」という女性もいるようです。この両者を見分けるためのポイントはありますか。

尾西さん「例えば、生理中にみられるめまいや頭痛、吐き気、眠気などは熱中症の初期にもみられる症状のため、見分けがつきにくいかもしれません。

生理中のめまいや頭痛は、ホルモンの変動によるものの、他に貧血や脱水も原因として考えられます。熱中症の際も初期は脱水症状が起き、体温調節に異常を来すことが原因でめまいや頭痛が起こるので、まずはしっかりと水分補給を行いましょう。補給した水分をしっかり血液中にとどめるには、水分だけでなく塩分と糖分を一緒に取ることも重要です。

ただし、しびれやけいれんがある場合や、嘔吐(おうと)を繰り返す場合などは熱中症の可能性が高いので、医療機関を受診しましょう」

Q.猛暑が続く今年の夏は、「生理中の外出がつらい」という女性も少なくないようです。夏場の生理期間中、特にどんなことに注意すべきでしょうか。

尾西さん「生理中は通常でも脱水になりやすいので、まずはしっかりと水分、塩分の補給をすることが大切です。女性はむくみやすいため、塩分を控える人もいるかと思いますが、夏場は汗で知らない間に排出されてしまいます。水分だけ補っても血液中にしっかりと水分が保持されないため、塩分も必要になってきます。

また、カフェインは利尿作用があり、水分を奪ってしまうので注意が必要です。麦茶やルイボスティーといったノンカフェインのお茶がおすすめです。貧血予防のために、鉄分の補給も忘れずに行いましょう。

冷房の効いた室内ばかりにいると体が冷えてしまい、生理痛が悪化することもあります。水分と塩分を補いつつ、体を温めることもできるスープもおすすめです。トマトを使ったミネストローネやトウモロコシを使ったコーンスープなどは、旬の野菜なのでぴったりですね」

(オトナンサー編集部)

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尾西芳子(おにし・よしこ)

産婦人科医(神谷町WGレディースクリニック院長)

2005年神戸大学国際文化学部卒業、山口大学医学部学士編入学。2009年山口大学医学部卒業。東京慈恵会医科大学附属病院研修医、日本赤十字社医療センター産婦人科、済生会中津病院産婦人科などを経て、現在は「どんな小さな不調でも相談に来てほしい」と、女性の全ての悩みに応えられるかかりつけ医として、都内の産婦人科クリニックに勤務。産科・婦人科医の立場から、働く女性や管理職の男性に向けた企業研修を行っているほか、モデル経験があり、美と健康に関する知識も豊富。日本産科婦人科学会会員、日本女性医学学会会員、日本産婦人科乳腺学会会員。オフィシャルブログ(http://ameblo.jp/yoshiko-onishi/)。

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