【婚活】お見合いで「相手の欠点」が気になる…“粗探し”ばかりしている人に足りない「視点」
「好き」という魔法
先日、入会面談に来たまさえさん(37歳、仮名)が言いました。
「1年ほどお付き合いしている人がいました」
出会いは、仕事の取引先のひできさん(30歳、仮名)。
「ある日、仕事を終えた後に、食事に誘われたんです。お酒を飲みながらいろいろな話をしたのがすごく楽しくて。その日から、たまに食事をしたり、飲みに行ったりするようになりました」
そこから男女の関係になるのも、時間はかかりませんでした。
まさえさんは、どんどん彼にひかれていきました。そして「結婚できたらいいな」と思うようにもなりました。しかしながら、彼は7つ年下。“結婚”という言葉が出てこないままに、1年がたってしまいました。
「お付き合いをしていくうちに、それまで聞いていたこととは違う彼の経歴も分かりました。大卒だと言っていたのに、実は中退。仕事も、正社員ではなく契約社員だということが分かりました」
しかし、彼のことを好きになっていたまさえさんには、そんなことはどうでもいいことに思えました。「私が勝手に大卒だと思っていただけ」「派遣でも、真面目に仕事をしている人ならいいじゃない」と。
これがもしも婚活の出会いだったとしたら、知っていた情報と違うことが分かった時点で、気持ちはスーッと冷めていたかもしれません。
ただ、1年がたっても、結婚の話が出てこない。1つ年をとって不安になったまさえさんは、あるとき、ひできさんに「結婚ってどう思う?」と水を向けてみました。すると、予想だにしない答えが、ひできさんから返ってきました。
「俺は今、契約社員だし、結婚して家庭を持つことは考えられないよ。運よく社員になれて、そのときに結婚したい相手がいたら、考えるかもしれないけれど。ま、今のところ結婚には興味ないかな」
“この恋愛の先に結婚がある”と浮かれていたのは、自分だけだった――。まさえさんは、冷や水を浴びせられる思いがしました。現実を知ったのです。
こうして、まさえさんは、結婚相談所での婚活を決意しました。
婚活は、いかに相手を許容し気持ちを育てるか
自然な出会いだと、相手を「好き」という気持ちが完全に出来上がってから、お付き合いが始まります。ですから、まさえさんのように相手のマイナス情報を知ったとしても、「だまされた」「うそをつかれた」とは思わず、「私の聞き間違いだった」「私の思い込みだった」「そんなこと大した問題じゃない」と、それを見過ごしたり、許したりすることができます。
また、相手から“結婚”という言葉が出てこなかったとしても、「好き」という気持ちがあると、「未来には結婚が待っている」と自分勝手に解釈し、それを夢見てしまいます。
ところが婚活の出会いは、「好き」という気持ちが出来上がる前にお見合いをして、お付き合いがスタートします。先述しましたが、プロフィールで相手の情報を知っており、それと比較しながらお付き合いをしていきますから、どうしても見方が厳しくなったり、批判的になったりするのです。
婚活でのお付き合いも、相手を受け入れる、ささいなことは許す、見過ごすという気持ちで、お会いしていく時間を重ねていってみてください。時間を重ねていきながら、自分の気持ちを恋愛へと育てていってください。
婚活を成功させる秘訣(ひけつ)は、批判の目よりも、相手の存在を丸ごと認めるところにあると思うのです。
(仲人・ライター 鎌田れい)
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