専門医に聞いて分かった「おなかがすくとイライラしやすい人」の特徴! イライラしてしまう原因も解説
空腹時にイライラしている人、あなたの身近にいませんか。どんな人がイライラしてしまいやすいのか、糖尿病専門医に聞いてみました。
「おなかがすくと、イライラしたり機嫌が悪くなったりしやすい」人、身近にいませんか。中には「私のことだ…!」と自覚がある人もいるかもしれません。空腹によってイライラしてしまうと、自身や周囲に悪影響を及ぼし得るため、なるべく上手にコントロールしたいもの。しかし、どうしておなかがすくとイライラしてしまうのか、その理由を正しく理解している人は案外少ないかもしれません。
そこで、「空腹でイライラしやすくなる」理由について、eatLIFEクリニック(横浜市旭区)院長で内科医・糖尿病専門医の市原由美江さんにご解説いただきました。
イライラ=低血糖の症状
そもそも、人間の胃は食事時や空腹時、どのような状態なのかをご存知ですか。
食べ物が胃に入ると、胃から「胃酸」が分泌され、食べ物が消化されます。その後、胃の収縮によって腸に送り込まれていきます。一方、空腹のときは胃酸の分泌が抑えられ、収縮する動きも弱まります。しかし空腹の時間が続くと、胃酸が胃の粘膜を刺激してしまうことがあります。これによって胸焼けや胃痛が引き起こされることもあるのです。
では、「おなかがすいているとイライラしたり、機嫌が悪くなったりしやすくなる」のは本当なのか否かですが、結論からいうと「本当」です。
空腹の時間が長く続いた場合、通常は血糖値が下がることはありません。これは、血糖値を上げるホルモンによって調整されるためです。しかし、体質的に空腹時の血糖値が下がり過ぎて「低血糖」を起こす人がいます。この低血糖の症状として、イライラや、やる気の低下などがみられることがあるのです。
低血糖が原因で空腹時にイライラする人は、食後数時間が経過してから低血糖を起こす「反応性低血糖」の可能性があります。反応性低血糖は、食事によって上がった血糖値を下げようと、インスリンを過剰に分泌することが原因となって引き起こされます。糖尿病には至っていないものの正常ともいえない状態である「境界型糖尿病」の人や、糖尿病の初期の人に起こりやすいです。
なお、次の項目に当てはまる人は糖尿病になりやすいので、注意が必要です。
・男性
・40歳以上
・肥満
・暴飲暴食をする
・生活が不規則
・甘いものが好き
では、食事をして空腹が満たされると、イライラは解消するのでしょうか。
原因が低血糖であれば、食事をすると血糖値が上がるので、イライラは改善するでしょう。食事を取ることができない状況なら、甘いお菓子やジュースなどを少し摂取すると、10分程度で改善します。
ただ、甘いものを多く取ってしまうとカロリー過多になる上、インスリンが過剰に分泌されることによって、後々、同じように反応性低血糖が起こることがあります。そのため、摂取時は「少しだけ」を意識するようにしましょう。
食事が取れる状況であれば、お米や麺類といった炭水化物から食べるとよいです。このとき、ゆっくりよくかんで食べることを忘れずに。
また、軽い間食は、空腹状態を未然に防ぐことができるので、イライラの予防にもつながります。間食の際は、糖質を含むものを“少しだけ”食べるようにしてみてくださいね。
(オトナンサー編集部)
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