オトナンサー|オトナの教養エンタメバラエティー

サプリ愛用者は要注意? “鉄分”の過剰摂取で肝硬変&肝臓がんリスク増 医師が解説する注意点&対策

サプリで鉄分摂取してもOK?

Q.食べ物だけでは体に必要な量の鉄分を摂取できない場合、サプリメントで鉄分を摂取してもよいのでしょうか。注意点も含めて、教えてください。

石田さん「食品から鉄分を摂取するのが望ましいですが、生理のある女性や成長期の子ども、妊婦、授乳婦の場合は、食事だけで十分な鉄分を取ることが難しい場合があります。この場合は、鉄のサプリメントを併用するのがよいでしょう。

サプリメントには、大きく分けて、鉄剤(非ヘム鉄)やキレート鉄、ヘム鉄の3つがあります。ただ、鉄剤は活性酸素を産生しやすく、体の中で炎症を引き起こすほか、キレート鉄は先述のように、鉄の調整システムを経ずに体内に吸収されるため、鉄過剰症になる恐れがあります。これらの物はお勧めできません。

そこで、私がお勧めするのはヘム鉄サプリメントです。これは、肉や魚などに含まれるヘム鉄を効率的に摂取することができます。私のクリニックでは、飲みやすさや効果、副作用などを総合的に判断し、鉄欠乏症の治療の際に優先的に使用しています。

サプリメントを取る上で、注意すべきことが3つあります。まず、風邪のほか、腸炎などの炎症があるときは、鉄の利用障害が起き、体の中で有効に利用できなくなるため、原則としてサプリメントの服用を控えないといけません。

胃腸の状態が良くないと、栄養が十分に消化、吸収されないため効果が落ちます。胃もたれや便秘、慢性下痢がある場合は、医師と相談し、胃腸を整えて使用することをお勧めします。

そして、定期的に鉄欠乏の状態を血液検査で評価することです。鉄過剰症を防ぐ調整機能が体内にあるとはいえ、サプリメントは食品の何倍もの鉄分が入っています。ヘム鉄サプリメントを20ミリグラム以上摂取する場合は、できれば医療機関で定期的にフェリチン(貯蔵鉄を反映)や血清鉄、赤血球数、血色素、ヘマトクリット値を含む採血検査を受けることが望ましいです。

リウマチや間質性肺炎、炎症性腸疾患など炎症性疾患がある場合は、鉄の利用障害が起こるため、体の中で鉄を有効に使えません。疾患をしっかりコントロールすることを優先し、なるべく食事で鉄分を補い、サプリメントの摂取を控えた方が良いでしょう。

また、C型慢性肝炎や非アルコール性脂肪肝炎(NASH)の病態には肝内の鉄蓄積が関与しており、その酸化ストレスが肝硬変や肝がん(肝臓がん)を促進させるなど、疾患によって特性があります。これらの疾患がある人がサプリメントを摂取する際は、事前にかかりつけの医師に相談してください」

(オトナンサー編集部)

【画像】分かりやすい! これが“鉄分”の重要な役割です(9枚)

画像ギャラリー

1 2

石田清隆(いしだ・きよたか)

医師

肝臓学の専門医で、広島ステーションクリニック理事長。長年、基幹病院の一線でウイルス性肝炎、肝細胞がんの診療を行い、ウイルス性肝炎の経口剤治療、肝細胞がんのラジオ波焼灼療法やカテーテル治療の経験が多数ある。現在は、画像診断、栄養解析データをベースに脂肪肝、糖尿病などの生活習慣病に対して徹底的な栄養、運動指導を行い、薬に頼らない治療を目指している。2023年1月にアンチエイジングセンター「Milky Cloud Well-being Center」を開設。著書に「人生を好転させる2‐week鉄活」(幻冬舎)がある。広島ステーションクリニック(https://hs-clinic.jp/)。

コメント