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「ドンッ!」乱暴に物を置く&ドア閉める ストレスで「物に当たる」人の心理とは? 対処法も精神科専門医が解説

行動パターンを知って、変える

「物に当たる」がひどくなり、穴が空いてしまった壁
「物に当たる」がひどくなり、穴が空いてしまった壁

 対処法についてですが、ご自身の周囲で、物に当たる人がいたら、その人が冷静になった時を見計らって声を掛け、物に当たる行為が周囲の人に不快感を与え、人間関係を損ねているかもしれないことをそっと伝えてみましょう。そして、物に当たる行為を減らすことが本人のためになることを繰り返し説明してみてください。

一般的に、人が行動パターンを変えるには、変えることによるメリットが必要です。物に当たる行為を減らす努力をする中で、人間関係が少しずつ改善してくると思います。

 ご自身が物に当たってしまいそうになったときは、どのようなときに物に当たってしまうのか、行動パターンを知ることから始めましょう。それから、「深呼吸する」「水を飲む」「席を外す」といった対処法をあらかじめ考えておき、実際に衝動を抑える練習をするようにしましょう。

イライラ・興奮して物に当たる人は、なかなかそのことを自覚できず、物が壊れたり、周囲の人から指摘されたりして、やっと自分の「物に当たる性質」を知ることが多いと思います。いつもの自分と違っていることに気付いたら、周囲の人と協力しながら行動を修正する努力をすることが大切です。

まずは他人の指摘を受け入れ、現在自分が置かれている状況を分析し、軽減できるストレスがないかを考えてみましょう。心身の負担になっていることをメモなどに書き出してみるのもよいと思います。そして、行動を修正したら、どのような効果が得られたか、また得られなかったかとしても、ちゃんとフィードバックしてみましょう。

(オトナンサー編集部)

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田中伸一郎(たなか・しんいちろう)

医師(精神科専門医、産業医)・公認心理師

1974年生まれ。久留米大学附設高等学校、東京大学医学部卒業。杏林大学医学部、獨協医科大学埼玉医療センターなどを経て、現在は東京芸術大学保健管理センター准教授。芸術の最先端で学ぶ大学生の診療を行いながら、「心の問題を知って助け合うことのできる社会づくり」を目指し、メディアを通じて正しい知識の普及に努めている。都内のクリニックで発達障害、精神障害などで悩む小中高生の診療も行っている。エクステンション公式YouTubeチャンネル内「100の質問」(https://youtu.be/5vN5D9k9NQk)。

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