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「介護脱毛」は介護者の負担、軽減につながる? 介護福祉士に現状、課題を聞いた

よく耳にする「介護脱毛」。実際のところ、介護者の負担軽減につながるのか…という疑問を持つ人も少なくないようです。そこで介護脱毛の現状や課題などについて、介護福祉士に質問してみました。

 近年、耳にする機会が増えた「介護脱毛」。介護福祉士の渡辺航平さんに、脱毛することによって介護者への負担を軽減することができるのかや課題など、さまざまな疑問を質問してみました。

アンダーヘアがあると介助が難しい

介護脱毛の需要が増えている?
介護脱毛の需要が増えている?

Q.介護業界で「介護脱毛」の認知度はどの程度なのでしょうか

渡辺さん「『介護脱毛』という概念が生まれたのは、実は最近の話です。正直なところ、私の関わる施設でもあまり話題に上ることはありません。ただ、私を含めて老後を見据えて個人的に始めているという人もいます。これから徐々に広まっていく段階なのかな、という実感です。

 ちなみに、介護脱毛だからといって何か特別な方法で行われるというわけではなく、一般的な脱毛クリニックで施術を受けられます。施術が可能であると判断できれば、脱毛サロンをはじめ、医療機関の脱毛クリニックでも受けることができます」

Q.「介護脱毛」が生まれた背景や、現状についても教えてください。

渡辺さん「最近は男性専門の脱毛クリニックもありますし、性別や年齢問わず脱毛を行う人が増えてきていると思います。その中で、将来介護を受ける立場になった際に、介護者への負担を軽減させたいという目的で施術を受ける人もいます。

具体的には排泄介助のしやすさであったり、においや皮膚トラブルを軽減し清潔感を保てる、といったメリットが考えられるでしょう。そのため、デリケートゾーン周辺の脱毛を希望する人は徐々に増えているようです」

Q.現段階での課題には何が考えられますか

渡辺さん「課題というとやはり認知度がまだ低いという点と、あとは費用面が考えられるでしょう。実際に介護経験者としてはアンダーヘアがあると介助が難しいという実感もありますし、今後さらにニーズが高まると予想されます。

高齢になると自然に毛が抜けていくこともありますが、きれいに生えなくなるということを期待するのであれば、やはり脱毛の施術をしなければ難しいでしょう。そのため、『介護脱毛』というワードを誰でも知っていて、施術をするかどうかはそれぞれが検討していただく、という状況が理想かなと思います。

費用面に関しては、ほかの脱毛もそうですが保険などが適用されないため、施術費用がすべて自己負担になるところは気になります」

まとめ

 渡辺さんが語るように、脱毛への意識は老若男女問わず増加傾向にあると思います。そして、老後を見据えて脱毛を始める人も少しずつ増えてきているようです。

 クリニックやサロンによって、対応可能な部位、施術内容が異なることもあるので、介護脱毛を始めたいと思った人は、内容や価格をしっかりと比較しながら検討してみるのはいかがでしょうか。

(オトナンサー編集部)

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渡辺航平(わたなべ・こうへい)

介護福祉士

某社会福祉法人にて施設長として勤務。介護が必要な方を持つご家族、介護現場で働くスタッフさんはもちろんの事、「福祉・介護に興味がある」「実際介護ってどうなの?」「転職したいけどアドバイスが欲しい!」といったご相談や悩み、愚痴などを全てお聞きしております。介護福祉士実務者研修の講師も担っており、介護福祉士国家資格受験に向けたアドバイスや相談も受け付けています。

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