「介護サービス」費用ってどれくらい? 「要介護認定」など介護福祉士が解説
よく耳にする「介護サービス」。実際にどれぐらいの費用がかかるのかなど、さまざまな質問を介護福祉士に聞いてみました。
「介護サービス」という言葉を耳にしたことがある人は多いと思います。ですが、介護サービスの費用などについて把握しているという人は多くないのではないでしょうか。介護福祉士の渡辺航平さんに、介護サービスについてのさまざまな質問をぶつけてみました。
在宅ケース、要介護1の支給限度額は1カ月約16万円 要介護5は…

Q.まず、介護サービスはどうやって受けるのか教えてください。
渡辺さん「公的な介護保険サービスを受けるためには『要介護認定』という、どの程度の介護サービスが必要なのかを区分けする仕組みの認定を受ける必要があります。
要介護認定は、要支援1から2、そして要介護1から5までの7段階が存在し、要介護5がもっとも重い度合いと判断されます。
要支援の定義が『日常生活のうえで多少の支援が必要』であるのに対し、要介護は『日常生活全般で誰かの介護が必要』という違いがあります。サービスを受けたい場合、お住まいの自治体に申請していただくと、約1~2カ月で結果が送付されてくると思います」
Q.認定の区分には、具体的にどのような違いがあるのでしょうか。
渡辺さん「介護の度合いが重いという認定を受けた場合、より手厚いサービスが受けられるようになります。
例えば、各種サービスを受けられる内容や時間が充実するほか、自己負担の割合もより低く設定されています。また、『特別養護老人ホーム』に入居する場合、基本的には要介護3以上の認定が下りなければ入ることができないといったケースもあります」
Q.具体的にどの程度、費用を負担することになるのでしょうか。
渡辺さん「在宅介護なのか施設に入居するのかなど、介護サービスの中にもさまざまなケースがあるので一概にこの程度、とは言えません。
例えば在宅の場合ですと、利用可能なサービスに対する支給限度額が区分ごとに設定されています。要介護1では1カ月16万円台であるのに対し、最も重い要介護5では36万円台とより多くのサービスが利用可能になります。
この限度額を超過してしまった場合は、サービス自体は受けられるものの、利用者の10割負担という仕組みになっています。
また、在宅のサービスでは、サービスごとの利用金額の積み重ねで限度額が設定されているのに対し、施設に入所する場合は月額単位で費用が発生するという違いがあります」
まとめ
公的な介護サービスを受けるために必要になる「要介護認定」の結果によって、1カ月のうちに利用できるサービスの負担額が変わります。
在宅で介護を行うのか、それとも施設に入居するのかといった違いによって費用に変化が生じるということです。介護サービスの利用を検討している人は、事前に費用のシミュレーションをしているとよいかもしれません。
(オトナンサー編集部)
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