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「介護施設」入所の準備 何から始めるが正解? 介護福祉士が教える“安心ガイド”

介護施設への入所を検討している方やご家族は必見!施設入所に必要な準備を介護福祉士に聞きました。

「介護施設」に入所する際に、必要なものとは?
「介護施設」に入所する際に、必要なものとは?

 介護施設は「入りたい!」と希望すれば、すぐに入所できるわけではありません。将来的に介護施設を検討している人や家族は、どんな準備が必要なのか、知っておくことが大切です。そこで今回は、介護施設への入所に必要な準備や、施設選びの際にすべきこと、入所決定後の準備について、介護福祉士の鹿見勇輔さんに聞きました。

「要介護認定」を受ける必要がある

Q.介護施設の入所を検討する前に必要な準備はありますか?

鹿見さん「介護施設に入所するには、『要介護認定』を受けていることが必要です。要介護認定の程度によって、入所できる施設は限られます。介護施設探しをする前に、必ず介護認定申請を行っておきましょう。介護認定申請は、お住いの市区町村窓口にて行うことができます。要介護認定の判断基準は、全国一律です。

また、入所にあたっての資金面も重要です。資金計画を考えるためにも、毎月の利用料金がどのくらいかかるのかを把握しておく必要があります。それぞれの介護施設に料金表がありますので、事前に資料を取り寄せてご確認ください。もしご不明な点がありましたら、資料を確認するだけでなく、直接施設職員から説明を聞いた方がよいと思います」

Q.いざ入所する施設を決める際、しておくとよいことは何ですか?

鹿見さん「介護施設は生活の場ですから、入所を希望する前に施設見学をおすすめします。ご本人やご家族の自宅から近いこと、比較的入所費用が安いことだけで決定するのは避けた方がよいです。介護施設の雰囲気が合っているか、介護職員の対応が丁寧かどうかも調べておいた方がよいでしょう。

また、事前に『入所申込書』の提出を求められるのが一般的です。現在のご本人の心身機能、生活状況でのお困り事などを記入する必要があるので、整理しておく必要があります。ご本人と暮らしていないご家族の場合、『入所申込書』に記入することは難しいと思いますので、在宅で関わっている介護サービス事業所やケアマネジャーに教えてもらいながら作成すると安心です」

Q.介護施設への入所が決まったら、どんな準備が必要ですか?

鹿見さん「介護施設に入所するということは、自宅を離れて生活するということです。可能な限り、自宅での生活環境からかけ離れないようにした方が、スムーズに生活の場を移行することができます。

最近では、住み慣れた自宅で使用していた家具などを、入所時に持ち込むことを認めている施設もあります。日常生活で必要な物品は、おおむね介護施設側で用意してくれていますが、ご本人がこだわっている物や手放したくない物があれば一緒に準備しておくとよいでしょう」”

※ ※ ※
 介護施設への入所は、事前の準備が欠かせません。要介護認定の取得から施設選び、入所後の生活環境まで、段階ごとに確認しておくことで、本人も家族も安心して新しい生活を迎えられます。ぜひ今回の内容を参考に、早めの準備を進めてみてください。

(オトナンサー編集部)

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鹿見勇輔(しかみ・ゆうすけ)

主任介護支援専門員、介護福祉士、社会福祉士、精神保健福祉士

めぐみ指定居宅介護支援事業所・管理者、めぐみ指定訪問介護事業所・管理者として介護の現場で活動する傍ら、日本福祉大学・実務家教員、近畿大学九州短期大学・非常勤講師、トリニティカレッジ広島医療福祉専門学校・非常勤講師としても活動している。

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