介護業界で美容ケアが話題に? 心理的メリットも 費用など疑問を介護福祉士に聞いた
近年、介護業界における介護美容・ケアビューティーというワードをよく耳にする機会が増えました。そんな介護美容・ケアビューティーについて、介護福祉士の人に疑問を聞いてみました。
年齢を重ねても美容に対して高い意識を持っていたいものですよね。施設に入居しても化粧やネイルを楽しみたい女性のために、介護美容・ケアビューティーという言葉を、近年よく耳にする機会が増えました。そんな介護美容・ケアビューティーについて、介護福祉士の渡辺航平さんに疑問を聞いてみました。
介護職員がメイクやネイルを施すことも
Q.「介護美容」はすでに介護業界で浸透しているものなのでしょうか
渡辺さん「まだ走り出しのサービスで、浸透しているとまでは言えない状況です。どちらかというと、介護脱毛のほうが知られていると思います。
女性の利用者さんには非常に喜ばれるので、私の周りでも簡易的に職員がメイクやネイルなどをやることもあります。介護美容には外見を整えられるというだけでなく、心理的にも前向きになるといった効果があると言われています」
Q.介護美容のサービスはどうやって受けられますか
渡辺さん「介護美容専用の施設といったものはなく、それぞれの介護施設やご自宅を訪問しながら美容サービスを提供するという事業者があります。
一方で、まだ介護美容自体がそれほど知られてないため、事業者の数自体も多くはありません。また、費用も基本的には個人負担となっています。事業者によって差はあるのですが、おおよそ数千円から数万円といった相場で提供されています」
Q.美容サービスを提供するにあたって資格などは必要なのでしょうか
渡辺さん「介護美容のサービスのための必須資格、といったものは今のところありません。例えばネイリストですとかメイクの資格など、美容系の資格を別途取得していただくと利用者の方への信用をより得やすいというのはあります。最近ですと、介護美容のスキル習得に特化したスクールもあるようです。
また、ヘアカットやカラーなどを実施する訪問美容師・理容師としてサービスを始める際には、美容師・理容師免許などが必要になるかと思います」
まとめ
病気や障害などによって身だしなみを整えることが難しくなってしまった人にとって、介護の現場で美容ケアをしてもらうのは身体的だけでなく心理的にもプラスの要素が多いということです。幸福感の持続やコミュニケーションの活性化などのメリットもあると言われており、介護サービスの新たな形として今後さらに注目されるサービスになっていくのではないでしょうか。
(オトナンサー編集部)
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