介護福祉士が回答! 「食事」「入浴」などの介助行為、実は“無資格”でもできるって本当?
自分自身が介護を受ける際、どのような資格保持者に見てもらうことになるのか、気になったことはありませんか。介護職における「資格がないとできないこと」「資格がなくてもできること」の境界線を、介護福祉士に聞いてみました。
あなたは、自分自身が「介護を受ける」ときのことを想像したことがありますか。実際、介護を受けることになった場合、どのような資格保持者に見てもらうことになるのか、気になる人もいると思います。
介護職の業務において、「資格がないとできないこと」「資格がなくてもできること」の境界線はどこにあるのでしょうか。介護福祉士の渡辺航平さんに教えていただきました。
「訪問介護」は要資格
Q.そもそも介護職には、具体的にどのような資格があるのでしょうか。
渡辺さん「介護の業種では、『初任者研修』『実務者研修』『介護福祉士』という3種類が代表的な資格になります。このうち、介護福祉士は国家資格のため、養成施設での研修や実務経験などを経て、試験に合格しなければ取得できません。初任者研修、実務者研修の2つは民間の資格ですから、費用を払って研修を受けると取得できます。介護業務が全くの未経験という人は、こうした民間資格から取得を始めるとよいでしょう」
Q.資格がないと行えないこと、資格がなくても行えることには、それぞれどのようなものがありますか。例えば「介助行為」にはやはり資格が必要でしょうか。
渡辺さん「資格がないとできないのは『訪問介護』です。これは、介護職員初任者研修以上の資格を取得していないと、基本的に実施できません。逆にいうと、明確に定められているのは訪問介護ぐらいなのです。もちろん、資格や実務経験がある方が望ましいというのはありますが、食事や入浴などの介助行為も、実は『無資格であっても可能』ということになっています。
ただ、施設によっては『介護助手』といった補助的な立ち位置を定めて、サポート業務からスタートさせるというケースもあるようです」
Q.介護職の中で、現在、注目を集めている職種はあるのでしょうか。
渡辺さん「介護業界全体が人手不足ということもありますし、介護職を目指す各々に目指すビジョンや目標があると思うので、特にこれという職種はありません。
しかし、やはり国家資格ということもあり、『介護福祉士』を一番の目標にしている人は多いと思います。取得が難しい分、それだけ業務のスキルや経験の評価も高く、資格手当やキャリアアップといった面でもプラスに働きやすいからです。資格取得に関しては、ご自身の経験やスキルと照らし合わせる他、どのような業務に携わりたいかを検討していただければと思います」
意外なことに、施設における介護・介助の場合、無資格や未経験の人であってもできる業務が多いことが分かりました。一方で、待遇面やスキルアップを目指すために、国家資格への取得を目標にする人も。特に、都心部において人手不足が懸念されている介護職ですが、未経験でもまずは民間の資格取得から少しずつキャリアを積み重ねる、という進み方も一つの方法です。
(オトナンサー編集部)
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