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ひいきのチームの勝ち負けで“一喜一憂” 「スポーツ観戦」の心理的影響は? 臨床心理士が解説

心を落ち着かせるには?

Q.スポーツ観戦後、心を落ち着かせるのに効果的な方法について、教えてください。

町田さん「『スポーツ観戦後、とにかく興奮が収まらない』というときは、身体感覚に訴えかけましょう。『頭を冷やす』という言葉があるように、冷たい水で顔を洗ったり、冷えた飲み物を額や首元に当てたり、冷えた飲み物を飲んだりするなど、冷たい刺激によって気分が変わり、心を落ち着かせることができます。

他にも、心を落ち着かせる呼吸法や、現在起きている状況に注意を向ける『マインドフルネス』を取り入れることで、リラックス感を得ることが可能です。肩や手足など、力を入れたり、抜いたりといった動作を繰り返す『筋弛緩法』の実践も効果的でしょう。競技場で観戦後の興奮には、ファン同士で話すことのほか、競技場の最寄りの駅から1駅分歩いてみるなど、体を動かすことによっても心を落ち着かせることができます」

Q.スポーツ観戦後にどうしても結果が気になったり、興奮が収まらなかったりする場合、どのような原因が考えられますか。

町田さん「大人の世界では、人間関係など、さまざまな社会的場面で『はっきりさせない』、いわゆるグレーな状態にあることが求められる傾向にあります。このようなはっきりしないグレーなコミュニケーションは、人にとって大変ストレスフルな状態です。

そのため、はっきりと結果がつくスポーツを観戦すると代理経験にハマりやすく、心理的効果を感じやすいといえます。勝利のために努力を重ねてきた選手やチームが勝利することで、観戦者は日常生活のモヤモヤを代わりに解消してくれるような快感を得ることができるのではないでしょうか。日常生活では、スポーツ観戦のように手軽にドーパミンの分泌がなされる機会はなかなかないでしょう。

ドーパミンは、依存症に関わっているといわれています。人はハラハラしたり、高揚したりするとドーパミンが分泌されますが、普段の生活でこうした経験が少ない人は、ドーパミンの分泌量が少ないため、ギャンブルなど、ドーパミンが多く分泌されるものに極端にハマりやすい傾向にあります。そのため、スポーツ観戦時にチームの勝ち負けに強くこだわったり、チームが負けた際の怒りや悲しみが長く続いたりすると考えられます。

そこで、まずは日常生活の中で、これまで気になっていたけどやってこなかったことに挑戦したり、趣味を見つけて活動したりしてみるのはいかがでしょうか。スポーツ観戦以外にハラハラや好奇心を持って取り組むことがあれば、スポーツ観戦後の興奮に縛られる時間は短くなると考えます」

(オトナンサー編集部)

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町田奈穂(まちだ・なほ)

臨床心理士、公認心理師

同志社大学大学院 心理学研究科修了。在学時より滋賀医科大学附属病院にて睡眠障害や発達障害に苦しむ人々への支援や研究活動を行う。修了後はスクールカウンセラーやクリニックの臨床心理士を経験。2020年、父の病気を機に父が経営する機械工具の卸売商社へ入社。そこで多くの企業のメンタルヘルス問題に直面し、大阪カウンセリングセンターBellflowerを設立。現在は、父の後を継ぎ機械工具の卸売商社の代表を務めるほか、公認心理師・臨床心理士として大阪カウンセリングセンターBellflowerを新規事業とし、支援者支援をテーマとした研究や臨床活動を行っている。大阪カウンセリングセンターBellflower(https://counseling-bellflower.com/)。

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