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男にも女にも見える、福岡県の“DV啓発ポスター”が「素晴らしい」と話題に 担当者に聞く

性別や年齢に関わりなく、DV被害は誰にでもありうることを示唆した啓発ポスターが優れた広告として表彰され、話題になっています。

福岡県のDV防止啓発ポスター(福岡県提供)
福岡県のDV防止啓発ポスター(福岡県提供)

 性別や年齢に関わりなく、誰もがDV被害に遭う可能性があることを示唆した福岡県の啓発ポスターが、優れた広告として表彰され、話題になっています。被害を暗示する、2つの顔のイラストが男性にも女性にも、大人にも子どもにも見えるように描かれており、コピーとイラストの組み合わせが秀逸です。SNS上では「シンプルなのに分かりやすくて素晴らしい」「男女両方に取れる良いポスター」「これで少しでも多くのDV被害者が、自分は被害者と気付いてほしい」と評価する声が上がっています。福岡県の担当者に話を聞きました。

「被害に気付いてほしい」思い込め

 ポスターは、福岡県が2017年11月、内閣府などが提唱する「女性に対する暴力をなくす運動」に合わせて530枚作成し、福岡県内の鉄道の駅や商業施設などに掲示。2018年6月6日に授賞式が行われた「第57回福岡広告協会賞」では、大型ポスターを対象にした部門の銀賞を受賞しました。

 ポスターはB1とB2の2サイズがあり、同じデザインです。上下に2つの顔のイラストが描かれ、上の絵は頬(ほお)が赤く染まってにこやかに見えますが、下の絵は、その赤い丸が目元と口元にずれ、あざのように見えます。2つの絵の間に「愛情がズレただけ? いいえ、それは暴力です」というコピーが入ります。赤い丸のずれとコピーで、愛情と暴力の違いを表現しています。絵柄はシンプルで、人物が特定の性別に見えないように仕上がっています。

 福岡県男女共同参画推進課の担当者に話を聞きました。

Q.「女性に対する暴力をなくす運動」期間に合わせたポスターなのに、特定の性別に見えないようにした狙いを教えてください。

担当者「DV被害者は、女性だけでなく男性もおられます。LGBT(性的少数者)の人たちの中にも被害者がおられます。『女性に対する暴力をなくす運動』をきっかけに、DVそのものについて考えてほしいと思いました。福岡県は2016年7月、DV被害者の男性、LGBTの人たち、それぞれの相談窓口を開設しました」

Q.イラストは、大人にも子どもにも見えることを意識したそうですね。

担当者「制作はJR九州エージェンシー(福岡市)に委託したのですが、そのような工夫をしてくださいました」

Q.反応はいかがですか。

担当者「ポスターの掲示を始めた直後から、ネットなどで話題となり、驚きました。DVについて皆さんに考えていただくきっかけとなり、ありがたいです」

Q.ポスターは、今はどこで見ることができますか。

担当者「7月13日から16日まで、福岡市役所での『福岡広告フェア』で展示されるほか、掲示され続けている商業施設などもあります。11月には、福岡県のDV防止啓発キャンペーンで新たに使用する予定です。県のホームページでは、同じデザインを使った動画を見ることができます」

Q.広告賞の受賞については。

担当者「改めてこのポスターを多くの人に見てもらい、DV防止に関心を持ってもらうことができ、大変ありがたいです。DVは身体的な暴力だけでなく、精神的暴力や経済的暴力などさまざまな形で行われます。自分が被害に遭っているという認識を持っていない人にも気付いてもらい、ぜひ相談窓口を利用してほしいと思います」

 内閣府が2017年12月、全国の20歳以上の男女5000人を対象に行った調査によると、結婚経験のある回答者2485人のうち「配偶者から身体的暴行などの被害を受けたことがある」と答えた人は、女性31.3%、男性19.9%に上っています。

(報道チーム)

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