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夜行バスで首や腰を痛めることも… 快適に眠る“コツ”を姿勢調整師が解説

夜行バスで寝るときに体を痛める原因や、体を痛めないためのコツについて、姿勢のプロ「姿勢調整師」に聞きました。

夜行バスで体を痛めずに寝るコツは?
夜行バスで体を痛めずに寝るコツは?

 夜行バスは、翌日の早朝に目的地に到着でき、料金も比較的安いというメリットがあります。旅行時に利用した経験がある人は多いのではないでしょうか。

 ただ、バスの中で寝ると首や肩、腰を痛めることがあります。夜行バスで寝るときに体を痛めないようにするには、どうすればよいのでしょうか。効果的な対処法について、姿勢調整師の塗木洋平(ぬるき・ようへい)さんに聞きました。

背骨のS字カーブを維持すること

Q.夜行バスで寝ると、肩や首などが痛くなることがあります。その原因について、教えてください。

塗木さん「シートで寝る際に猫背の状態になり、肩や首、腰などに負担がかかることが原因です。そもそも姿勢は、背骨の状態によって決まります。背骨にある3つのカーブ(首部、胸部、腰部)が、体にかかる負担を分散するクッションのような役割を果たすため、横から見たときに背骨がS字カーブを描いている状態が良い姿勢です。

一方、猫背になると、このカーブが1つになるため、通常の姿勢に比べて肩や腰などに6倍くらいの負担がかかります。これが肩こりや首の痛み、腰痛につながります。

基本的に夜行バスのシートでそのまま寝た場合、猫背の姿勢になってしまうことが多いです」

Q.では、夜行バスで寝るときに体を痛めないためにはどうすればよいのでしょうか。

塗木さん「寝ているときも背骨のS字を維持して寝ることが大切です。夜行バスの中で正しい姿勢で寝るときに必要な物や、寝る方法は以下の通りです」

■準備する物
・バスタオルやブランケット、柔らかい素材のアウターなど。
・U字のネックピロー(空気を入れて膨らませられる製品がよい)。
 
■夜行バスで正しい姿勢で寝る方法
(1)尻を座面と背もたれの角にしっかりと入れる。
(2)バスタオルやブランケット、アウターなどをおしぼりのように固く丸める。
(3)(2)で丸めたものを腰に当てる。
(4)ネックピローを首に付け、後頭部をシートに当てる。後頭部がシートに当たらない場合や、後頭部をシートに当てたときに苦しい場合は、ネックピローの空気を調整する。
(5)背中が浮いてしまう場合は、平らにしたブランケットやアウターで背中と背もたれとの隙間を埋める。
(6)両足をしっかり地面に付ける。

Q.夜行バスで寝るときは、あおむけが望ましいのでしょうか。

塗木さん「基本的にあおむけで寝ましょう。横向きで寝ると、体に負担がかかります。また、携帯用の枕を頭に当てた状態で使用しないでください。首のカーブがなくなるので、猫背になりやすいです。先述のように、夜行バスの中で寝るときはネックピローを使うのがお勧めです」

(オトナンサー編集部)

【ひと目で分かる】猫背にならないのがポイント 夜行バスで快適に寝るコツを姿勢調整師が解説!

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塗木洋平(ぬるき・ようへい)

姿勢調整師、姿勢科学士

大学時代、バイク事故により腰の骨を複雑骨折した影響で、腰の骨をボルトで固定。社会人2年目から腰痛・頭痛に悩まされるようになり、仕事を休むこともあった。そんな中、姿勢科学に出合い姿勢を改善することで、体が驚くほど軽くなる。その後、同じような悩みを抱えた人に姿勢の大切さを知ってほしいという思いから、姿勢調整師となる。現在は小学校や企業などで姿勢と健康に関する講演を行っている。

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東京都姿勢調整師会 公式ブログ(https://tokyo-shisei.hatenablog.jp/)。

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