ひげ、小まめにそってもOK? 出血したらどうする? 正しい手入れ方法を美容皮膚科医に聞く
ひげは、小まめにそっても問題ないのでしょうか。正しいひげの手入れ方法について、美容皮膚科医に聞きました。

身だしなみを整えるために、出勤前に電気シェーバーやカミソリでひげをそる人も多いと思います。ただ、SNS上では、「ひげそり後、皮膚が赤くなる」「ひげをそった後、かゆくなる」「ひげをそるたびに出血する」など、ひげの手入れに関する悩みの声が多く上がっています。
そもそも、ひげは小まめにそっても問題ないのでしょうか。また、ひげそり中に出血した場合、どのように対処すべきなのでしょうか。ひげの正しい手入れ方法について、レジーナクリニックグループ総院長で美容皮膚科医の木村真聡(きむら・まさと)医師に聞きました。
ニキビ、吹き出物のリスクも
Q.ひげをそるときは、電気シェーバーとカミソリのどちらを使うのが望ましいのでしょうか。
木村さん「電気シェーバーを使う方が望ましいです。カミソリは安価に入手できるのがメリットですが、カミソリの刃が直接肌に当たるので、角質層まで削れてしまい、肌の乾燥や炎症の原因につながります。
また、電気シェーバーやカミソリの使用時に『必要以上に力を入れる』など、間違った方法でひげをそる行為を繰り返した場合、肌が黒ずんでしまうことがあります。これは、ひげをそるときの刺激でメラニンを作る色素細胞が活性化し、色素沈着を起こすためです。自宅でひげをそる場合は、事前に正しい方法を学び、電気シェーバーを使用するのがお勧めです。
電気シェーバーは、カミソリよりも肌へのダメージが少ないと考えられます。ただし、電気シェーバーのデメリットとして、初期費用がそれなりにかかることと、メンテナンスの必要がある点が挙げられると思います」
Q.身だしなみを整えるために、毎朝、ひげをそる人が多いとは思いますが、小まめにそっても問題ないのでしょうか。
木村さん「小まめにひげをそると、肌のトラブルを招く可能性が高まります。何度もひげをそると、それだけ肌への負担や摩擦がかかり、肌のトラブルにつながります。また間違ったひげの自己処理は、肌の乾燥や炎症、色素沈着などのリスクが生じるため、小まめにひげをそることはできるだけ避けた方がよいでしょう。
ただし、仕事などでひげを定期的にそらなければならない場合もあると思います。その際は、保湿などのアフターケアをしっかりと行いましょう」
Q.ひげそり中に出血した場合、どのように対処したらよいのでしょうか。もし適切に対処しなかった場合、肌にどのような影響があるのでしょうか。
木村さん「出血した場合は、ティッシュペーパーで傷口をしっかり圧迫して止血をした後、冷水でぬらしたタオルか保冷剤を巻いたタオルで患部を冷やすとよいでしょう。その後、可能であれば、ばんそうこうやガーゼなどで傷口を清潔に保護してください。
傷口を清潔に保たないと細菌が入りこみ、ニキビや毛嚢(もうのう)炎と呼ばれるプツプツとした吹き出物が生じるリスクがあり、その後も炎症後色素沈着という、シミのような状態が数カ月続く可能性があります。ひげは正しい処理を心掛けましょう」
切れ味が低下した刃は肌トラブルの原因に
Q.肌トラブルを防ぐために、電気シェーバーやカミソリの刃を交換する目安をもしご存じでしたら、教えてください。切れ味が悪くなった時点ですぐに交換すべきなのでしょうか。
木村さん「電気シェーバーの場合、『そり残しが目立つようになった』『ひげが引っかかるようになった』などの状態になったら、刃の交換を検討しましょう。切れ味が低下した刃を使い続けると、肌に必要以上のダメージを与え、肌トラブルにつながる恐れがあります。
カミソリは、約2週間に1回のペースで交換するとよいかもしれません。もちろん、この基準は清潔に使用している場合に限るため、お手入れをしっかり行うことが前提です」
Q.電気シェーバーやカミソリ以外でひげを手入れするのにお勧めの方法について、教えてください。
木村さん「『医療脱毛』がお勧めです。電気シェーバーやカミソリによるひげの自己処理はリスクが伴いますし、毎日のケアは時間もかかります。
医療脱毛は部位によって異なりますが、平均8〜10回の施術で半永久的な脱毛効果を望めます。確かに、費用は高額なイメージがあるかと思いますが、肌トラブルのリスクなどが解消されると思うと、医療脱毛は良い“投資”ではないでしょうか。
また、ひげを抜いたりそったりすると、毛穴が炎症しニキビができやすい傾向にあります。医療脱毛の結果、ニキビが減ったという患者さまも多くいらっしゃいますので、メリットは多いと考えております」
ひげをそっているときに出血した場合、傷口の手当てを怠ると細菌が侵入し、ニキビなどができる原因となります。出血時はしっかりと手当てをしましょう。
(オトナンサー編集部)
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