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「ワサビ」はしょうゆに溶く?魚の刺し身にのせる? メリット・デメリットを料理研究家に聞く

魚の刺し身を食べるとき、「ワサビ」をしょうゆに溶いて食べる人と、刺し身にのせてからしょうゆにつけて食べる人がいます。味や栄養を考えたとき、最も効果的なのはどちらの食べ方でしょうか。

ワサビの使い方、お勧めは?
ワサビの使い方、お勧めは?

 魚の刺し身を食べるとき、種類によってはポン酢で食べることもありますが、一般的にはしょうゆで食べることが多いのではないでしょうか。刺し身をしょうゆで食べる際、ワサビをしょうゆに溶いて食べる人と、刺し身にのせてからしょうゆにつけて食べる人と、大きく2つの食べ方があります。味や栄養を考えたとき、最も効果的なのはどちらの食べ方でしょうか。料理研究家の長田絢さんに聞きました。

味がよくなり、抗菌効果も

Q.そもそも、なぜ、魚の刺し身をワサビと一緒に食べるのですか。

長田さん「刺し身をワサビと一緒に食べるのは、まず、刺し身の香りと風味がよくなるからです。また、消臭効果や食中毒の原因菌に対する抗菌効果がワサビにある点も大きな理由です。つまり、魚の生臭さが消え、食中毒の予防にも効果的なためです」

Q.味や栄養を考えたとき、ワサビをしょうゆに溶く食べ方のメリットとデメリットは何ですか。

長田さん「ワサビの刺激が苦手な人にとってはメリットがあります。ワサビを刺し身に直接つける食べ方は、苦手な人には刺激が強すぎるため、しょうゆで溶くことでマイルドになり、食べやすくなるのです。デメリットとしては、ワサビの香りや風味が失われてしまうことに加え、しょうゆ皿が汚れてしまうことがあります。

また、しょうゆの水分やアミノ酸成分と長時間接触することによって、食中毒の原因菌に対するワサビの抗菌効果が薄れてしまうことも挙げられます」

Q.では、ワサビをのせてからしょうゆにつける食べ方のメリットとデメリットは何ですか。

長田さん「メリットはまず、ワサビの香りや風味を直接楽しめることです。また、魚の種類や食べる人の好みによって、ワサビとしょうゆのバランスを調整できることもメリットです。さらに、ショウガなど他の薬味もある場合、使い分けやすいこと、すりおろした直後であれば、ワサビの栄養成分を効果的に摂取できることなどが挙げられます。

デメリットは、子どもやワサビの刺激が苦手な人にとっては、せっかくの新鮮な刺し身でもおいしいと感じられないことでしょうか」

Q.魚の刺し身を食べるとき、味や栄養の面からよいのはどちらの食べ方でしょうか。

長田さん「ワサビを刺し身にのせてから、しょうゆにつける食べ方をお勧めします。ワサビの栄養成分を効果的に摂取できますし、刺し身の種類によって、ワサビの量やバランスを調整できるからです。

また、知り合いなどとの会食で、ワサビをしょうゆに溶かすと、しょうゆ皿の見た目がよくありません。食事の作法としての美しさからも、ワサビをしょうゆに溶かさない方がよいと思います」

Q.海鮮丼を食べるとき、ワサビを溶かしたしょうゆをかける人をよく見かけます。海鮮丼では、ワサビをどのように使って食べるとよいのでしょうか。

長田さん「海鮮丼を食べるときは、ワサビを溶いたしょうゆをかけるのが一般的です。一つ一つの刺し身にワサビをのせ、しょうゆをつけて食べ、追い飯をする食べ方もあるとは思いますが、それでは“海鮮丼”ではなく“刺し身定食”になってしまいます。

丼の醍醐味(だいごみ)として、豪快に食べる楽しさがありますし、ご飯にもほどよく味がついている点がおいしいので、思い切って、ワサビを溶かしたしょうゆをかけてしまうのがよいと思います。

ただ、中には海鮮丼にかなりの量のワサビが添えられている場合があります。この場合は適量のワサビを残しておいて、脂ののった魚などにその都度つけて、追いワサビを楽しむのもお勧めです。ご飯が余ってしまったときには“わさびご飯”で締めるのもありでしょう」

(オトナンサー編集部)

【画像】ワサビの使い方で全く見た目が違うしょうゆ

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長田絢(おさだ・あや)

料理研究家、栄養士

食の専門家として、テレビ番組のコメンテーターを務め、料理番組に出演。情報誌への寄稿やウェブコラムの執筆なども行う。飲食店の企画やメニュー開発、フードコーディネート、オペレーション指導から、企業の商品開発、レシピ制作、プロモーション支援など幅広く活躍。地域の特産品を使用した商品開発や、地域活性化のためのイベント企画、プロモーションなどを行う地域創生事業プランナーとしても活動している。インスタグラムやYouTubeでも食の情報を発信中。著書に「スーパーで買える『肉』を最高においしく食べる100の方法」(ダイヤモンド社)がある。JapanFoodExpert(https://jfe-aya.jp/)。

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