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具材? 調理法? 「焼き肉」「バーベキュー」、何が違う? ヘルシーなのはどっち? 料理研究家が解説

焼き肉とバーベキューは何が違うのでしょうか。料理研究家に聞きました。

焼き肉とバーベキューの違いは?
焼き肉とバーベキューの違いは?

 肉や野菜をこんろで焼いて食べる料理として、焼き肉とバーベキューがあります。キャンプや海に行った人の中には、バーベキューを楽しんだ人も多いのではないでしょうか。

 ところで、焼き肉とバーベキューは調理方法が似ていますが、どのような違いがあるのでしょうか。栄養士の資格を持つ、料理研究家の長田絢さんに聞きました。

バーベキューは分厚い肉をじっくり焼き上げるスタイル

Q.そもそも、焼き肉とバーベキューは何が違うのでしょうか。

長田さん「屋内で調理するのが焼き肉、屋外で調理するのがバーベキューという考え方もあるようですが、そもそも焼き肉とバーベキューは、『調理・食事スタイル』が違います。焼き肉は、各自が肉や野菜を焼いた後、お好みのタイミングで食べていくのが一般的ですが、バーベキューの場合、肉や野菜などを全て焼き終え、皿にきちんと盛り付けてから、出席者全員で一緒に食べます。

また、焼き肉は、基本的に鉄板や網で肉や野菜などを焼くというシンプルな調理方法であるのに対し、バーベキューは、大きな肉の塊をじっくり焼き上げたり、肉や魚介類、野菜類を蒸し焼きにしたりする調理法を指し、仕込みに時間をかけるのが特徴です。そのため、日本でバーベキューといわれている調理法は、実は焼き肉のスタイルに該当するケースが多いのです。

こうした点から、焼き肉よりもバーベキューの方が、手間がかかったり、参加者同士の交流などに重きが置かれたりするため、イベント性が高いと言えます」

Q.では、焼き肉、バーベキューは、それぞれどのように食材を調理するのでしょうか。

長田さん「焼き肉の場合、一口サイズにカットされた肉やホルモンなどが主役で、他に鉄板や網で焼きやすいサイズにスライスされた野菜を使うことが多いです。日本人が行っている焼き肉は、柔らかくて上質な薄切りの肉を炭火で軽くあぶる程度に焼いた後、塩やたれを付けて食べるのが定番です。

一方、欧米文化のバーベキューは、分厚い肉を食べる食文化があるため、じっくり時間をかけて肉を調理します。その際はただ焼くだけでなく、『スモーク』や『ロースト』といったさまざまな焼き方を使い分け、何種類ものソースやスパイスとともに仕上げた後、大勢の人で分けて食べるのが基本です。つまり、食べ方や味付けに関するバリエーションが豊富です」

Q.焼き肉とバーベキューとを比べた場合、どちらの方がカロリーが低い傾向にあるのでしょうか。

長田さん「焼き肉の定番メニューであるカルビの場合、特に和牛は脂が多く、カロリーが高いのが一般的です。一方、バーベキューで使用されることが多い外国産の肉の塊は、赤身が多いため、カロリーが比較的低いことが予想されます。しかし、焼き肉でも赤身の肉を食べることは珍しくありませんし、バーベキューでもしっかり脂がのった肉を食べることも多いため、どちらの方がカロリーが低いのかは、一概には言えません。

いずれにしても、さまざまな種類の野菜などをバランスよく取り入れた方が、見た目にも彩り良く、栄養バランスも整います」

(オトナンサー編集部)

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長田絢(おさだ・あや)

料理研究家、栄養士

食の専門家として、テレビ番組のコメンテーターを務め、料理番組に出演。情報誌への寄稿やウェブコラムの執筆なども行う。飲食店の企画やメニュー開発、フードコーディネート、オペレーション指導から、企業の商品開発、レシピ制作、プロモーション支援など幅広く活躍。地域の特産品を使用した商品開発や、地域活性化のためのイベント企画、プロモーションなどを行う地域創生事業プランナーとしても活動している。インスタグラムやYouTubeでも食の情報を発信中。著書に「スーパーで買える『肉』を最高においしく食べる100の方法」(ダイヤモンド社)がある。JapanFoodExpert(https://jfe-aya.jp/)。

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