12月22日は「冬至」! 関係の深い「カボチャ」と「ユズ」の栄養素って? 管理栄養士に聞いてみた
12月22日は「冬至」。冬至と関係の深い「カボチャ」と「ユズ」の栄養素やカロリーについて、管理栄養士に聞いてみました。
2022年の「冬至」は12月22日です。冬至といえば無病息災を願ってカボチャを食べ、ユズをお風呂に入れた「ゆず湯」に入る風習がよく知られています。冬至と関係の深いこの2つの食材には、どのような栄養が含まれているのでしょうか。管理栄養士の岸百合恵さんに聞きました。
カボチャのカロリーは他の野菜より“高め”
Q.まず、「カボチャ」と「ユズ」がどんな食材か教えてください。
岸さん「カボチャとユズはそれぞれ、次のような食材です」
【カボチャ】
カボチャはウリ科カボチャ属に分類される果菜の総称です。原産地はアメリカ大陸ですが、カンボジアから伝わったため、『カボチャ』という名前がついたといわれています。
現在、日本でよく食べられているのは、大きく『日本カボチャ』『西洋カボチャ』の2種類に分かれます。日本カボチャは少し平たく、縦に溝が入ってデコボコしており、淡白な味わいが特徴です。粘りがあって煮崩れしにくく、煮物などに向いています。現在では日本料理店などで使われている貴重なカボチャです。
一方、西洋かぼちゃは表面の溝がほとんどなく、つるっとしています。ホクホクした果肉と、糖質が多いことによる甘い味わいが特徴です。スーパーなどでよく目にするのは西洋カボチャです。
【ユズ】
ユズは、ミカンやレモン、カボス、スダチなどと同じミカン科ミカン属に分類されるかんきつ類の一種で、独特の酸味と爽やかな香りが特徴です。一般的に流通しているのは、黄色く熟してから収穫する「黄ユズ」で、皮が硬く、酸味が強いためそのまま食べることはあまりありませんが、実だけでなく、果汁や皮も使うことができます。ユズを料理に少し加えたり、添えたりするだけで風味豊かでとても上品なものになるので、日本料理では特に重宝される食材です。
Q.「カボチャ」に含まれる基本的な栄養素と、カロリーを教えてください。
岸さん「100グラムあたり、西洋カボチャは91キロカロリー、日本カボチャは49キロカロリーです。栄養素で注目したいのは、『ビタミンACE(エース)』と呼ばれる抗酸化作用の強いビタミンが豊富に含まれている点です。また、カボチャの果肉の黄色や、皮の緑色の色素成分であるβカロテンにも抗酸化作用の働きがあります。βカロテンは体内でビタミンAに変化し、皮膚や粘膜の免疫力を高めてくれます。
その他にも食物繊維やビタミンB群、カリウムやカルシウムなどのミネラルも豊富で、非常に栄養価の高い野菜です。ただし、カボチャはカロリーや糖質が他の野菜に比べて高めなので、食べ過ぎには注意しましょう」
Q.冬至の日にはお風呂に入れる「ユズ」ですが、普段は料理にも使われる果実です。基本的な栄養素やカロリーは。
岸さん「ユズの皮は59キロカロリー、果汁は21キロカロリー(いずれも100グラムあたり)です。ユズにはビタミンCやビタミンB群のパントテン酸、カリウム、クエン酸などが含まれていますが、栄養価は皮の方が高く、特にビタミンCは果汁の4倍近い含有量です。
また、ユズの皮にはかんきつ類やリンゴなどの果皮に含まれる、天然のゲル化剤の役割をする『ペクチン』も含まれています。ペクチンには整腸作用があるため、便秘を予防する効果や、血液中のコレステロールを減らす効果が期待できるといわれています」
Q.カボチャ、ユズの「選び方」や「お勧めの調理法」とは。
岸さん「カボチャは軸が太く、ヘタがコルクのようによく乾燥しているものを選びましょう。皮につやがあって硬く、しっかりと重みがあり、左右対称に丸くなっているものがお勧めです。カットされている場合は、膨らんだ種がしっかりと詰まっていて、果肉の色が鮮やかなものを選びましょう。種がペタンコのカボチャは熟成が不十分な状態で収穫されているため、甘みやホクホク感が足りないものが多いと思われます。
カボチャは生のままだと非常に硬く、焼き物などにする際には焦げやすいので、切る前に電子レンジで2分程度加熱するととても切りやすくなる上、少し火が通ることで調理もしやすくなります。煮物はもちろん、カボチャの甘みを生かしてスイーツやポタージュに使用してもおいしく食べられます。
ユズは、『果皮がきれいに色付いている』『手に持ったときに重みを感じる』『皮が硬く、ハリがある』ものを選びましょう。また、ヘタ部分の切り口が茶色くなっていないものが新鮮です。もちろん香りのよさも、状態のよいユズを選ぶポイントです。
先述した通り、ユズは果皮の方が栄養豊富で抗酸化作用も多くあるので、皮を薄く切って他の野菜を酢漬けにしたり、ゆずみそやつくだ煮、ピールにしたりするなど、調理方法を工夫して積極的に利用したいですね」
(オトナンサー編集部)
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