風邪予防&防寒 冬に重宝する加湿器 使用前はどう手入れする? 手入れせずに使ったらどうなる? メーカーに聞く
押し入れやクローゼットなどに収納していた加湿器を使う際は、どのような手入れが必要なのでしょうか。メーカーに聞きました。

朝晩の冷え込みが厳しくなり、防寒用ですでに加湿器を使っている人や、風邪の予防などで、これから加湿器を使い始めようと考えている人も多いのではないでしょうか。押し入れやクローゼットなどに収納していた加湿器を使う際は、どのような手入れが必要なのでしょうか。また、手入れをせずに使い始めた場合、どのようなデメリットが生じるのでしょうか。加湿器などを製造する、ダイニチ工業(新潟市南区)広報室の佐藤日那さんに聞きました。
「加湿器肺炎」に注意
Q.押し入れやクローゼットなどに収納していた加湿器を久しぶりに使う際は、どのような手入れが必要なのでしょうか。
佐藤さん「使用前に、『水あかなどの汚れがないか』『本体や空気取り込み口にほこりが付いていないか』を確認してください。当然ですが、汚れがある場合は手入れが必要です。
手入れ方法は、加湿方式によって異なる場合もあるので、今回は、当社のハイブリッド式(水を含んだ気化フィルターに温風を当てて加湿する方式)の加湿器を例に説明します。
(1)『タンク』『トレイ』『気化フィルター』の汚れを落とす
タンクは、水道水を入れて振り洗いをします。タンク、トレイの汚れが気になる場合、洗剤は使わず、柔らかいスポンジでこすり洗いをしてください。気化フィルターを手入れする際、水あかを取る場合はクエン酸、臭いが気になる場合は重曹でそれぞれつけ置き洗いをすると、効果的です。
(2)本体の『空気取り込み口』にたまったほこりを取る
本体は、柔らかい布でから拭きしてください。汚れが落ちにくいときは、水で薄めた中性洗剤を染み込ませた布でしっかり拭き取りましょう。その際、本体の表面に洗剤が残らないように注意してください。空気取り込み口の吸気グリルや内部のフィルターにほこりがある場合は、掃除機で吸い取りましょう」
Q.もし十分な手入れをせずに加湿器を使い始めた場合、どのようなデメリットが生じる可能性があるのでしょうか。
佐藤さん「手入れをせずに使い始めると、加湿器の内部で雑菌やカビが繁殖し、悪臭が発生しやすくなります。そのまま使い続けると、カビや菌が室内に放出され、『加湿器肺炎』を発症する恐れがあるので、すぐに手入れをしてください。また、手入れをしないと加湿量が低下したり、送風音が大きくなったりする原因にもなります。
加湿器を使い続けていると、汚れやほこりがたまります。使い始めはもちろん、使用中も定期的に手入れをしてください」
Q.エアコンの場合、シーズン前に試運転をした方がよいとよく言われます。加湿器の場合も、本格的に使用する前に一度稼働させて不具合がないかチェックした方がよいのでしょうか。
佐藤さん「本格的に使用する前に一度稼働させた方がよいです。当社の場合、例年10月から11月にかけて、本体内部の清掃依頼が急増します。清掃、返却までに時間がかかってしまう場合もあるので、早めのチェックをお勧めします」
Q.では、手入れした加湿器を稼働した際に異臭がする場合、どのような原因が考えられますか。また、使用を控えた方がよいケースについて、教えてください。
佐藤さん「『洗濯物の生乾きのような雑菌臭がする』『カビ臭い』といった場合は、吸気グリルや気化フィルターに付いた汚れ、臭いを十分に落とし切れていない可能性があります。これらの場所に汚れや臭いが付いていないか、もう一度よく確認してみましょう。
吸気グリルにほこりが付いている場合は、掃除機で吸い取ってください。また、気化フィルターから臭いがする場合は、先述のように、ぬるま湯に重曹を溶かしてつけ置き洗いをし、それでもにおいが続くときは気化フィルターの交換をお勧めします。
これらの方法でも改善しない場合は、加湿器の内部に汚れがたまっていたり、雑菌が繁殖していたりする可能性があるので使用を中止し、購入先の店舗やメーカーに相談してください。ご自身で分解して清掃をするのは危険なので、おやめください。
同様に、稼働時に『水漏れがする』『本体が異常に熱い』『運転中に異常な音がする』『電源コードに触れると通電したりしなかったりする』などの状態になった際も使用をやめ、購入先の店舗やメーカーに相談しましょう。修理が必要な場合があります」
(オトナンサー編集部)
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