年収「1000万円」のはずが、実は「400万円」だった交際男性…結婚決意後に知った35歳女性の“決断”
年収1000万円のはずが、実は400万円
松山ちかこさん(35歳、仮名)は、私の結婚相談所での活動をしながらも、無料の婚活アプリにも登録をしていました。
そして、婚活アプリで太田としおさん(35歳、同)と出会い、交際をすることにしたのです。としおさんは東京の隣県の自営業者で、アプリのプロフィルには「年収1000万円」と記載されていました。
ちかこさんは地方出身で、高校卒業後、技術系の専門学校に入学。そのときから1人暮らしをしています。卒業後、今の職場に就職し、現在の年収は450万円です。就職してから堅実に貯金をしてきたのと、地方の両親の援助金もあり、それを頭金にして、30歳のときに2LDKのマンションを購入しました。
そんな2人が、アプリの出会いをきっかけにして付き合うようになりました。交際に入って3回目のデートで、としおさんがちかこさんのマンションを訪れて、男女の関係にもなったようでした。
そして、ちかこさんから私に連絡が入りました。
「今月いっぱいで、相談所は退会させてください。私、としおさんと結婚しようと思います」
ところが、そこから1週間後に、「ちょっとご相談があります」という連絡がちかこさんから来ました。面談にやってきたちかこさんが言いました。
「アプリに『年収1000万円』と書かれていたのですが、それは、『その年収を稼いでいた年もあった』という金額だそうで、今の年収は400万円程度だそうです。コロナで売り上げがすっかり落ち込んでしまったというんですね。彼の家に行ったことがあるんですが、家賃が4万5000円の賃貸アパートでした」
婚活アプリの場合は、収入証明書の提出が義務付けられていませんから、年収は自己申告です。コロナ前に1000万円の年収があった人が、家賃4万5000円のアパートに住むかということにも疑問が残りますが、そこはとしおさんの言葉を信じるしかありません。
また、としおさんは、「ちかこさんが今住んでいる分譲マンションを新居にしよう」と提案しているようでした。
「私のマンションから自分の仕事場に通うと言うんですね。まあ、自営業だから、売り上げの浮き沈みはあると思うんです。コロナも落ち着いてきたから、売り上げが上がっていけばいいですけど」
こう言いながらも、ちかこさんは浮かない顔をしています。そして続けました。
「ほれた弱みといいますか、性格は優しくて私を大事にしてくれているので、結婚しようとは思います。ただ、年収1000万円を稼いでいる彼が、実は400万円程度だったという現実を知って、ちょっと色あせて見えてきているのも正直な気持ちです」
そうかといって、彼と別れる勇気はないようです。
高所得者だから、結婚したらセレブな生活ができる――。今は、そんな時代ではありません。
国税庁が発表した2020年の民間給与実態統計調査によれば、日本人の給与所得の平均は433万円。所得が1000万円を超えていたら、平均の2倍以上の金額を稼いでいるわけですが、所得が高くなれば所得税、住民税、社会保険料、雇用保険料なども高くなっていきます。
また、高所得者は住居や車など、持ち物に散財しがちです。そうなると、どこを切り詰めるかといったら、日々の食費や雑費などの生活費でしょう。
これまでの例でいうと、「年収1000万円超の男性とのデートが割り勘だった」「“女子割”だった」というのは、女性たちからよく聞く話です。そして女性たちにしてみたら、年収433万円の男性に割り勘にされるのは許せても、年収1000万円超の男性に割り勘にされると、「何てせこい人」と思ってしまうのです。
また、3例目に出てきた自営業のとしおさんは、本当に年収が1000万円あったかどうか定かではないのですが、自営業者がコロナのような感染症や、震災や洪水のような自然災害で、売り上げが大打撃を受けることは想定すべきです。
一夜にしてシンデレラになれる“セレブ婚”に憧れるのは、先行き不透明な時代には、賢い選択ではありません。
結婚は、2人で力を合わせて築いていくものです。地に足のついた婚活をしていくことを、仲人としてはお勧めします。
(仲人・ライター 鎌田れい)

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