栃木にある“廃墟”のような温泉旅館に「怖じ気づく」「ここ行きたい」の声、ご主人に聞く
栃木県内にある、一見すると“廃墟”と間違えてしまいそうな温泉旅館がSNS上で話題になっています。一体どんな旅館なのでしょうか。
栃木県にある“廃墟同然”の温泉旅館がSNS上で話題となっています。温泉マニアの間では有名な旅館で全国からお客さんが訪れるといい、SNS上では「怖じ気づいてしまう」「ここ行きたい」「廃墟好きにはたまらない」「泊まれるの」など、さまざまな声が上がっています。一体どんな旅館なのでしょうか。
宿泊できず、温泉の入浴のみ可能
この旅館は、栃木県那須町にある「老松(おいまつ)温泉 喜楽旅館」。JR那須塩原駅から車で約40分の場所にあります。約70年前に創業し、現在は家業を継いだ星田晴久さん(67)が1人で切り盛りしています。
温泉街として有名な那須湯本温泉から徒歩で約10分。周辺には他の旅館の跡地と思われる建物が点在しています。「内湯 名湯老松温泉」「喜楽旅館」という2つの看板が掲げられた木造2階建ての建物は、壁がところどころ抜け落ち、今にも崩れ落ちそうです。建物は創業と同時期に建てられ、増築を繰り返していったとのこと。小道を挟んだ向かい側に星田さんの住居があり、そこで受け付けをしています。
実は、人手不足により“旅館”としての営業は2014年に終了し、現在は温泉の入浴サービスのみ行っています。営業時間は午前8時~午後8時で入浴料は500円。入浴時間は45分ですが、人が少ない場合は無料で入浴の延長も可能です。
温泉がある建物に入ると下へ通じる階段があります。階段を降りて天井がはがれかけた通路を進んでいくと「男湯」「女湯」と書かれたのれんが。湯船は男湯、女湯でそれぞれ2つずつありますが、稼働しているのはそれぞれ1つです。
星田さんによると、源泉の温度は約30度で、お湯を灯油ボイラーで沸かし提供しているとのこと。神経痛やリウマチ、アトピーなどに効果があるとされています。弱アルカリ性のため飲むこともできます。1日の利用者は多い時で約30人。地元だけでなく、東京など県外から来る人も多いそうです。普段は、常連客が2~3時間、温泉につかっていることも珍しくないのだとか。
建物は強風や温泉の成分で傷んでしまいましたが、修繕費用が不足しているため、そのままにしているとのこと。星田さんは「赤字経営なので、廃業したいと常に考えている。ただ、地元の方からは『続けてくれ』と言われているのでやめるわけには…」と話しています。
(報道チーム)
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