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カミソリ、クリーム、毛抜き…自宅での「ムダ毛処理」、皮膚科医はどれを推奨?

今年も「ムダ毛」が気になる季節です。自宅でムダ毛処理をするときの方法はいろいろありますが、医学的観点から最もお勧めなのはどれなのでしょうか。皮膚科医に聞いてみました。

専門医がお勧めする方法は?
専門医がお勧めする方法は?

 夏になると気になるのが「ムダ毛」です。クリニックやサロンなどで脱毛する方法もありますが、気になったときに自宅ですぐできる「自己処理」派も多いことでしょう。自宅で処理する代表的な方法としては、「カミソリ」「除毛クリーム」「毛抜き」「除毛器・脱毛器」がありますが、「手軽なのでクリーム派」「毛抜きで1本ずつ抜くのが結構楽しい」「結局、どの方法がいいの?」「部位ごとに変えるべきなの?」など、さまざまな声が上がっています。

 医学的観点からみて、自宅でのムダ毛処理として最も推奨されるのはどの方法なのでしょうか。東京ブランシェクリニック(東京都港区)の鈴木三奈さん(美容皮膚科)に聞きました。

除毛クリーム、毛抜きは「使えない部位」も

Q.自宅でできるムダ毛処理の方法について、それぞれの特徴やメリット/デメリットを教えてください。

鈴木さん「自宅でムダ毛処理を行う際の代表的な方法は、次の4つです」

【カミソリでそる】

カミソリを使ってムダ毛を処理する方法です。メリットは、気になったときにすぐお手入れできる手軽さです。化粧ポーチに入れておけば、どこでも気軽にシェービングができます。また、VIOラインや顔の産毛も処理できます。

デメリットとしては、刃を直接肌に接触させるため、肌へのダメージが大きいことです。特に敏感肌や乾燥肌の人は、角質層も一緒に除去してしまう可能性が高く、ダメージも大きくなります。また、カミソリでの処理は効果の持続期間が非常に短く、ムダ毛がすぐに伸びてきて目立ちやすいです。1日で脇毛0.1ミリ、陰毛0.2ミリといった速さで伸びるため、1日程度で毛が出てざらざらしてしまいます。さらに、毛が濃くなったように見えやすいです。これは、ムダ毛をそると毛の先端部がシェービング前よりも太くなり、表面積が大きく見えるためです。

【除毛クリームを使う】

クリームの成分である「チオグリコール酸カルシウム」が毛のタンパク質を溶かすことで除毛できます。メリットは、ムダ毛を処理したい部位に塗って放置し、洗い流すだけなので、誰でも自宅で簡単に行えることです。また、毛の太さに関係なく除毛できます。

デメリットとしては、塗って放置する時間を守らないと、肌への負担が増えることでしょう。そのため、保湿成分の入った製剤を選ぶのをお勧めします。なお、敏感肌の人は肌が荒れることがあります。その他、毛根が残るため何度も処理が必要になったり、顔やVIOラインには使えなかったりすることが挙げられます。

【毛抜きを使う】

毛を一本一本、ピンセットなどで引き抜く方法です。メリットとしては費用が安く済むことですが、処理に時間がかかる点、そして何度も処理が必要になる点はデメリットといえるでしょう。また、抜く際に毛根を引っ張るため、毛穴がダメージを受け、広がって見えやすくなります。なお、顔やVIOラインには行えません。

【除毛器・脱毛器を使う】

除毛器はヘッド部の内刃で肌表面の毛を浅くそるタイプ、脱毛器は物理的に毛をつかんで引き抜くタイプのものです。

メリットとしては、肌ダメージが比較的軽めであることや、気になったときにお手入れできることです。デメリットとしては、除毛器の場合はカミソリと同様、毛がすぐに伸びてくるため、効果持続期間が短いことです。2〜3日程度でポツポツとした毛が目立ってきます。Oラインは無理に自分で処理するのは難しく、危険です。また、細い毛はそりにくく、処理中の音がうるさいことがあります。

Q.これら4つについて、部位ごとに「推奨する方法」「避けた方がよい方法」はありますか。

鈴木さん「脇や腕、脚はいずれの方法でもかまいません。顔やVIOラインは先述の通り、除毛クリーム、毛抜きが使えません。除毛クリームは、粘膜の部位にはお勧めしないですが、注意をした上であればVラインは使用できます」

Q.自宅でできるムダ毛処理方法の中で、皮膚科医として総合的にお勧めできる方法は。

鈴木さん「男性でしたら、ひげそりは毎日行う人も多いので、除毛器や脱毛器でよいと思います。その他の部位では、毛抜き以外は皮膚科医としては問題なく推奨できます。女性の場合も、毛抜き以外は問題ありません。

男女問わず、医療脱毛をすることに抵抗があれば、まずは先述したいずれかの方法を試してみてください。また、VIO脱毛のデザインを決めかねる場合なども、まずは毛抜き以外の方法でお勧めします」

(オトナンサー編集部)

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鈴木三奈(すずき・みな)

医師(美容皮膚科、美容外科)

東京ブランシェクリニック医師。2005年、東京女子医科大学卒業。東京大学医学部付属病院、帝京大学医学部付属病院、大手美容外科病院勤務を経て、現職。「最適な美容医療で、人生に喜びを」を目指し、患者に分かりやすい医療を提供することを目指している。専門分野は目の下の眼窩(がんか)脂肪除去、二重埋没、ヒアルロン酸注入、糸リフト。東京ブランシェクリニック(https://t-b-c.jp/)。

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