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びっくりした人もいるのでは? 総菜の「量り売り」が、想定外に高くなる理由

総菜店では、総菜を「量り売り」でも購入できますが、必要な分量を求めると「この量でこんなにも高いの?」と驚くことが多いです。高く思えるのはなぜなのでしょうか。

「量り売り」で総菜を買うと高い?
「量り売り」で総菜を買うと高い?

 総菜店では、パック売りの総菜とは別に、グラム単位で量り売りをしているケースもあります。「100グラム当たり○円」と価格が表示され、好きな分量を注文して店員に取り分けてもらうのですが、そもそも、総菜の100グラムがどれくらいの分量なのか、注文するまで分からない人もいると思います。試しに200グラムで注文すると全然足りないように見えたので、追加で注文すると、「この量でこんなにも高いの?」と驚くような価格になることも多いです。総菜店で、量り売りで総菜を購入すると高く思えるのはなぜなのでしょうか。飲食店コンサルタントの成田良爾さんに聞きました。

価格表示とのギャップが原因

Q.総菜店には、パック売りの総菜もあるのに、なぜ、量り売りでも総菜を販売している店があるのでしょうか。

成田さん「『パック売り』と『量り売り』には、それぞれメリットがあります。『パック売り』では、品質面や衛生面の信頼性を一定に保てる点や、容量によって料金が分かりやすい点、工場で大量生産ができる点などです。

『量り売り』では、店舗のスペースが限られる中で販売効率を引き上げられる点や、対面接客により利用回数や顧客単価を高くできる点、売り切る分だけ作れ、フードロスの解消に役立つ点などが挙げられます。

これらのメリットを総合的に判断し、どの総菜をどのように売るのか判断されているのでしょう」

Q.総菜店で、量り売りで総菜を購入すると高く思えるのはなぜなのでしょうか。

成田さん「『量り売り』で総菜を販売する場合、店では『100グラム当たり』や『1個当たり』という、できるだけ小さな単位で価格を表示することが一般的です。『価格が高い』という心理を客に抱かせないためです。これら最小単位での価格が大きく掲示されており、パッと見たときには安く感じてしまいます。

しかし、例えば一般的な大きさの唐揚げ100グラムでは、ほんの数個しか購入することができません。必要量を購入しようとすれば、100グラム当たりの金額から数倍の料金が提示されることも多いです。その他の総菜でも同様のことが起きるので、『量り売りは高い』と思ってしまうのではないでしょうか」

Q.量り売りで「100グラム当たり〇円」と表示されますが、総菜の100グラムがどれくらいの分量なのか、注文するまで分かりません。店側は目安を示さなければならないルールはないのでしょうか。

成田さん「経済産業省が定める『計量法における商品量目制度』には、『量り売り』で分量の目安を示さなければならないというルールはありません。そのため、店側は店頭などで基準を示さなくても、問題はありません。

そもそも、対面販売の場合、店側は客から求められれば、その総菜についての全ての情報を答えられるはずです。分量が分からなければ店員に確認することが可能であり、あえてルールを課す必要性が乏しいため、『量り売り』はルールの対象外になっています」

Q.パック売りであれば、分量も価格も分かりやすいと思います。総菜が「パック売り」に統一されることはないのでしょうか。

成田さん「プラスチック容器が主体の『パック売り』での統一はないでしょう。今年4月から『プラスチックに係る資源循環の促進等に関する法律(プラスチック資源循環法)』が施行され、エコの観点がより重要視されるからです。

必要量だけを購入できる『量り売り』は、フードロスの解消にも役立ち、かつ、日本人にもなじみがあります。逆に近年は、『パック売り』の重視から、再び『量り売り』を導入する傾向が高まっています」

Q.総菜を購入するとき、どのような場合にパック入りがよいのか、量り売りがよいのか、それぞれの購入手段の使い分けを教えてください。

成田さん「大家族など、大人数の総菜を『量り売り』で購入すると、びっくりするほどの料金を提示される場合があります。事前に目算するのが面倒なとき、対面販売では取り分けに手間がかかってしまうため、時間に余裕がなければ『パック売り』がよいかもしれません。

しかし、プラスチックごみ問題やフードロス問題のこともあり、『パック売り』ばかりになってしまうのもどうかと、私は感じます。この記事をきっかけにSDGs(持続可能な開発目標)についても考えてみてはいかがでしょうか」

(オトナンサー編集部)

【画像】どうして総菜店のサラダは、いつも山盛り?

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成田良爾(なりた・りょうじ)

飲食店専門経営コンサルタント

ヴィガーコーポレーション代表取締役。厚生労働省公認レストランサービス技能士(国家資格)、文部科学省後援サービス接遇検定準1級、食生活アドバイザー2級、他。飲食業界25年以上。ミシュランガイド掲載の高級レストランから個人経営の小さな大衆店まで幅広いジャンルの飲食店に携わり、その経験に基づく統計解析および枠にとらわれないアイデアで多くの赤字店を黒字化させてきた実績を持つ。「100年続く店づくり」をモットーに、次世代育成や飲食業の働き方改革などにも力を入れており、食文化普及の他、職業訓練校講師(フードビジネス科)や子育て女性就職支援事業講師なども歴任。現在も多くの飲食店経営者のサポートを手掛ける。飲食店専門のコンサルティング「オフィスヴィガー」HP(http://with-vigor.com/)。

コメント

1件のコメント

  1. 成田さんって、ほんとにプロなの? と思ってしまいました。記事の内容、真実でないところが多数ありますね。こんな記事あかんな。弊職も現在食品関係のコンサルタントをしていますが、株式会社ロック・フィールドの常務をしておりました。量り売り 熟知しています。株式会社エムディプロビジョン 代表取締役 尾﨑一郎