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「客の前でキーボード打つな」と怒る上司に部下「手帳と何が違うのか」、PCでメモはマナー違反?

ビジネスシーンでメモを取る場合、お客様の前でパソコンのキーボードを打つことは失礼にあたるのか、という趣旨の投稿がSNS上で話題となりました。賛否両論さまざまな声が上がっていますが、マナーのプロの見解やいかに――。

パソコンでメモはオーケー? 手書きにすべき?

 SNS上で先日、ビジネスシーンにおける「面談中のメモの取り方」に関する投稿が話題となりました。投稿者は、客先との面談中にパソコンでメモを取っていたところ、「お客さん目の前にしてキーボードをカタカタ打つな」「お客さんの気分を害するだろうが」と上司に怒られたとのこと。「手帳にメモるのと何が違うのか」「そんなことで気分を害するような人と仕事したくない」と訴えかけると、「これ言われたことある」「パソコン使いますって先に一言伝えておけばいいだけの話では」「カタカタしてるとゲームしてると思われるぞって言われた」など、さまざまな声が上がりました。

 これについて「マナーのプロ」の見解とはどのようなものでしょうか。「マナーは互いをプラスにするもの」をモットーに国内外の有名企業や大学などで研修やマナーコンサルティングを行うほか、顧客満足度No.1企業の輩出、学生から社会人への意識の切り替えなどを柱とする人財育成教育を行い、ビジネスマナーをはじめ円滑な人間関係の構築などに関するマナー本が国内外で70冊以上(累計100万部超)のマナーコンサルタント・西出ひろ子さんに聞きました。

手帳やノートにメモを取る方が無難

Q.マナー的観点から見て、ビジネスの面談や打ち合わせ中にメモを取る場合、パソコンと手帳のどちらを使うべきでしょうか。

西出さん「シチュエーションや相手との関係性、受け取り方にもよりますが、今の日本においては、手帳やノートにメモを取る方が無難だと言えるでしょう。パソコンやスマートフォン、タブレット端末などを使ってメモを取ると、話す側に『何をしているのかよくわからない』印象を与えかねず、『話を聞いていないのでは』と不安に思われる可能性が高いからです。メモであれば、手を見せることによって『私は武器を持っていません』『私はほかの仕事をしていません』という姿を見せることで相手に安心感を与えられるので、信頼を築く上でも有効です。特に自分がお客様のところに訪問する場合、パソコンでのメモは控えた方がよいでしょう。自店舗や訪問先でも、パソコンやタブレットを見せながら商品説明を行う時代になりましたが、人前でのメモは、手帳やノートを使う方がいらぬ誤解を与えずに済むと思います。受ける印象は、相手によって千差万別だからです。また、自分で文字を書く方が、脳がその内容を記憶しやすくなるとも言われています。ただし、自分が訪問を受ける場合は、パソコンを使用してメモを取っても訪問者が気にしないことが多いようです」

Q.「どうしてもパソコンを使用したい」「手帳を忘れた」などの場合、相手にどのような配慮をすべきでしょうか。

西出さん「面談や打ち合わせの前に『恐れ入りますが、メモを取るのにパソコンを使ってもよろしいでしょうか』と相手に対してひと言断りを入れるとよいでしょう。相手が了承すればもちろん問題ありません。面談時、記録を残すという意味で録音をしたり、撮影をしたりする時に相手に伺いを立て、了承を得てから行うのと同じことですね」

Q.その他、ビジネスシーンにおいてメモを取る際の注意点などはありますか。

西出さん「メモは、相手の話を聞きながら取るものではありますが、メモに集中しすぎて常にうつむいた姿勢になってしまったり、相手と視線を交えない時間が長く続きすぎたりするのはNG。そうした行動は、話を聞いている証拠ではありますが、対面の打ち合わせで常に下向きのままでいるのは、相手に良い印象を与えるものではありません。時折、相手の目や顔を見て相づちを打つことで、『あなたの話を真剣に聞いています』というポジティブな印象を伝えることができます。視線を落としがちな人は、相手の顔や首元(ネクタイなど)を意識して見るようにしてください。また、メモを取り始める前に『失礼いたします』という意味合いで、相手に軽く会釈するのもよいでしょう。マナーの基本は相手の立場に立ち、相手を思いやることにあります。メモを取ることはすなわち、相手の話を聞く側に回るということです。相手に気持ち良く話してもらえるような振る舞いを意識することで相手を良い気分にさせ、有益な情報を得ることにつなげることもできます。マナーあるメモの取り方で相手の心証を良くし、円滑なコミュニケーションを取ることが可能になります」

(オトナンサー編集部)

西出ひろ子(にしで・ひろこ)

マナーコンサルタント・美道家・ヒロコマナーグループ代表

大妻女子大学卒業後、国会議員などの秘書職を経てマナー講師として独立。31歳でマナーの本場英国へ単身渡英。同国でビジネスパートナーと起業し、お互いをプラスに導くヒロコ流マナー論を確立させる。帰国後、名だたる企業300社以上にマナー研修やおもてなし、営業接客マナー研修、マナーコンサルティングなどを行い、ほかに類を見ない唯一無二の指導と称賛される。その実績は、テレビや新聞、雑誌などで「マナー界のカリスマ」として多数紹介。「マナーの賢人」として「ソロモン流」(テレビ東京)などのドキュメンタリー番組でも報道された。NHK大河ドラマ「花燃ゆ」「龍馬伝」、映画「るろうに剣心 伝説の最期編」など、ドラマや映画、書籍でマナー指導・監修者としても活躍中。著書に、28万部突破の「お仕事のマナーとコツ」(学研プラス)「マンガでわかる! 社会人1年生のビジネスマナー」(ダイヤモンド社)「マナーコンサルタントがこっそり教える 実は恥ずかしい思い込みマナー」(PHP研究所)「運のいい人のマナー」(清流出版)など国内外で70冊以上。最新刊「10歳までに身につけたい 一生困らない子どものマナー」(青春出版社)が2018年5月19日に発売。ヒロコマナーグループ(http://www.hirokomanner-group.com)、プレミアムマナーサロン(http://www.erh27.com)。