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視聴率稼ぎの偽善か、真の人助けか 「24時間テレビ」に対する賛否両論の声

8月21~22日、「24時間テレビ 愛は地球を救う」が放送されますが、近年は番組内容について賛否両論があります。視聴者はどのように思っているのか、20代から40代の5人に聞いてみました。

「24時間テレビ」総合司会の羽鳥慎一さん(2015年10月、時事通信フォト)
「24時間テレビ」総合司会の羽鳥慎一さん(2015年10月、時事通信フォト)

 日本テレビ系列「24時間テレビ 愛は地球を救う」の季節がやってきました。今年は8月21~22日の放送です。1978年から毎夏放送されている「24時間テレビ」は今や、夏の風物詩的な存在になっていますが、近年は「感動の押し売り」「チャリティーの理念が形骸化している」など、番組に対して批判的な声も聞きます。一方で、昨年の平均視聴率が15.5%だったことからも分かるように、番組を楽しみにしている人も多いようです。

 賛否両論がある「24時間テレビ」について、どのように思っているのか、20代から40代の5人に聞いてみました。

「感動の押し売り」が目につく

「毎年、『やってるな~』くらいにしか思わない」と話すAさん(32歳、女性)は「24時間テレビ」にほぼ無関心です。普段、テレビはバラエティー番組を中心によく見るものの「24時間テレビ」は見る気になりません。

「障害のある人を取り上げて、視聴率を安易に稼ごうとしている姿勢が透けて見えてしまい、楽しむことができません。チャリティーの企画ですから、障害者にスポットを当てて、視聴者に関心を持ってもらおうとする番組側の工夫は理解できます。しかし、そのアプローチが何というか、浅く感じられてしまうのです。

例えば、番組のフィナーレで『サライ』という曲の合唱がありますが、あれなんか特に『こうしておけば、取りあえず、大感動巨編でしょ』と番組側が考えているのが見え見えですよね…昔はもっと面白かった気がするのですが、いつの頃からか、つまらなくなり、『感動の押し売り』が目につくようになってきた印象です」(Aさん)

 何に感動するか、何を面白いと思うかは人それぞれですが、Aさんと似た感想を持つ人もいます。

 番組が掲げるチャリティー、その趣旨を疑問視する代表的な声として、「(真偽は不明なものの)出演者に多額のギャラを払って『チャリティー』と言われても納得できない」という意見があります。Bさん(42歳、男性)は特にこれを強く感じているそうです。

「出演者が全員、ノーギャラで出演しているなら、全然いいと思います。むしろ、応援したいです。でも、高額なギャラで出演しているとのうわさが出ても、それを否定する声が番組側から聞こえてこないということは、うわさが間違いだとは言い切れないのだと思ってしまい、もはや、応援する気にはなれません。

だから、出演者が感動する様子も『お金をもらってるから、相応の演技をしている』とうがった見方をするようになってしまいました。仮に出演者が純粋に感動していたとしてもですね。アフリカの人々を飢餓から救うためのチャリティーソングとして作られた『We Are The World』はマイケル・ジャクソンら超豪華アーティストが多数参加したのに、出演者はノーギャラで、売り上げは全て寄付されたと聞きます。これこそがチャリティーの理想的な姿だと思います。

『24時間テレビ』と『We Are The World』は比べるものではないかもしれませんが、両者の違いを考えるとどうしても…『24時間テレビ』は、うわさされるギャラが庶民感覚からは現実離れしているほど高額なので、チャリティー感が一層薄く思えるのだと思います」(Bさん)

テレビ界のお祭り、参加しないと大損

 ここまで紹介した声では、逆風が強いように見える「24時間テレビ」ですが、Cさん(41歳、男性)は番組について肯定的です。

「確かに『24時間テレビ』は偽善的な雰囲気が強く漂っていると思います。しかし、『なさぬ善よりなす偽善』という言葉があるように『24時間テレビ』には毎年、億単位の募金が集まっており、その募金で支援され、助かっている人がいるのも事実です。出演者のギャラは個人的には『もらいすぎ、払いすぎじゃ…』と思いますが、募金を集めるための経費にすぎません」(Cさん)

 Dさん(40歳、男性)は番組内容そのものについて肯定的で「毎年、見ないと落ち着かない」と話します。

「『24時間テレビ』は大みそかになれば紅白歌合戦を見るのと同じで、子どもの頃から、毎年欠かさず見ています。世間には『内容がマンネリ化している』など否定的な声もありますが面白いと思いますよ。テレビ局が総力を挙げて、気合を入れて挑んでいるんだなという迫力が伝わってきます。

今は結婚して、家族と住んでいますが、独身時代は『チャンネルを合わせれば、夜中でもやっている』のがありがたくて、独り暮らしの寂しさを紛らわせてくれた記憶があります」(Dさん)

 自称“テレビっ子”のEさん(26歳、女性)は「24時間テレビ」を「絶対に見逃したくない」そうです。

「『24時間テレビ』はテレビ界のお祭りのようなものですから、参加しなければ大損だと思っています。フジテレビ系列の『27時間テレビ』もコロナ禍で昨年と今年は放送されませんでしたが、同じです。こうした番組はテレビ局にとっては特別であり、企画にも力が入っています。それに、毎年、番組内で何かしらの語り草が生まれ、見応えがあります。

番組への批判もよく聞きますが、放送時間中のツイッターなどの投稿を見ると好意的な声も多いです。そうした投稿を見つけると、一緒に楽しんでいる人がいると分かり、番組をもっと楽しく感じられます」(Eさん)

「24時間テレビ」は今年も昨年に続き、コロナ禍の中での難しさを抱えての放送となります。賛否双方の声が多く寄せられる同番組ですが、今年はどのような語り草が生まれるのでしょうか。

(フリーライター 武藤弘樹)

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武藤弘樹(むとう・こうき)

フリーライター

早稲田大学第一文学部卒。広告代理店社員、トラック運転手、築地市場内の魚介類卸売店勤務などさまざまな職歴を重ね、現在はライターとミュージシャンとして活動。1児の父で、溺愛しすぎている飼い猫とは、ほぼ共依存の関係にあるが本来は犬派。趣味はゲームと人間観察。

geetara610@gmail.com

コメント

1件のコメント

  1. バカ高い出演料が募金を募るための経費って言われても、じゃあその出演料をそのまま募金に回してくれれば、もっと募金金額も大きくなるしそのほうがいいと思うのだけれど。どうすれば視聴者を泣かせられるか視聴率取れるかしか考えていない、やはりどうしても偽善番組としか思えない。