オトナンサー|オトナの教養エンタメバラエティー

「野菜不足」解消のコツは? 市販サラダやカット野菜は気休め? 管理栄養士に聞く

野菜ジュースじゃダメ?

Q.野菜の栄養を効率的に摂取するのに最適な時間帯について教えてください。また、野菜を食べるときはできるだけ、生の状態で食べた方がいいのでしょうか。

岸さん「先述のように、体の新陳代謝のためには栄養素が必要です。新陳代謝は常に行われているため、野菜の栄養素は特定の時間帯にまとめて摂取するのではなく、毎食時にバランスよく摂取するのが理想です。

生で食べるメリットは、調理が簡単で、野菜の栄養成分を変えずにそのまま摂取できる点です。一方で、かさが多い割に思ったよりも重量が少ないので、1日の必要量を摂取しにくいのがデメリットです。食べやすくしようと、ドレッシングを多くかけてしまうとカロリーオーバーにつながる可能性があります。

加熱して食べる場合、調理過程でビタミンCやB群の水溶性ビタミン類、カリウムなどが損失しますが、スープやみそ汁にすることで、溶け出した栄養素を丸ごと摂取することができますし、かさも減って食べやすくなります。このように生で食べること、加熱して食べることにはそれぞれ、メリットもデメリットもありますので、好みやライフスタイルも考慮しながら、摂取しやすい形で必要量を摂取できればよいですね」

Q.野菜ジュースで栄養を補うことはできるのでしょうか。

岸さん「野菜ジュースについては、あくまでも補助として考えてください。例えば、『1日分の野菜(350グラム)を使用して作った』と宣伝している野菜ジュースであっても、加工の段階で、カット野菜や冷凍野菜では残っていたビタミンやミネラル、食物繊維の多くが損失しています。また、糖質が含まれているため、『血糖値が上がりやすい』というデメリットもあります。

ただし、全ての栄養素がなくなるわけではないため、野菜をまったく食べない人にとってはメリットになるかもしれません」

(オトナンサー編集部)

1 2 3

岸百合恵(きし・ゆりえ)

プロボクサー、管理栄養士、日本糖尿病療養指導士

病院食の管理・調理業務や企業での特定保健指導を経て、生活習慣病診療を専門とするクリニックにおいて5年間、栄養指導を実施。アスリートとしても夢を追い掛け、2017年に日本ボクシングコミッション(JBC)のプロテストに挑戦し、一発合格。「闘う管理栄養士」として、チャンピオンを目指して日々トレーニングに励みながら、ボディーメークや健康管理の指導を行う。現在は、スポーツ・睡眠歯科分野の診療を行う歯科医院で、アスリートへの食事指導や、一般患者へのダイエット、フレイル・サルコペニア予防の指導を行う他、内科クリニックで生活習慣病患者に対する食事指導を行っている。

コメント