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1回で安心できず? コロナワクチン、効果はいつから? マスクなしに戻るのは…

「ノーマスクには2~3年」説も

Q.「ワクチンを打っても、マスクをしたり、飲み会をしてはいけなかったりするなら、副反応も怖いし、ワクチンは打たない」と思う人もいるようです。ワクチンを打つ意味は。

森さん「ワクチン接種の効果とリスクをどう捉えるかは個々の価値観ですし、誰かに強要されるものでもありません。ただ、“意味”を考える前提として知っておく必要があるのは、今回のワクチン接種は『感染症のまん延予防の観点から、緊急に実施するもの』であるという点です。予防接種法の『臨時接種の特例』に位置付けられ、接種を受けるよう努めなければならない『努力義務』があるとされています。

一般的に打つ“意味”はいろいろあります。感染した場合の隔離や、身近な人への影響をなるべく避けたいとワクチン接種の意味を感じる人もいるでしょう。重症化のリスクが高い高齢者は、ワクチンを打つことが『命を守る』ことに直結するともいえます。

社会全体では、接種率が高まることで社会・経済活動の制限緩和につながり、少しずつでも日常生活が正常化することが期待できますし、発症や重症化を抑えることで医療現場の負担を軽減し、新型コロナ以外の手術や検査、入院が延期されるといった、通常医療への悪影響がなくなることも大きな意味を持つと思います」

Q.「変異ウイルス(変異株)によってはワクチンの効き目が薄れる可能性がある」と国立国際医療研究センターのチームが発表しました。仮にワクチンの効果が低くなったとしても、打った方がよいのでしょうか。

森さん「現在、東京で流行の主体とされる『アルファ株(イギリスで最初に確認された変異ウイルス)』は、ファイザー製ワクチンの有効性に大きな低下はないと考えられています。感染力が強く、日本でも確認数が増え警戒されている『デルタ株(インドで最初に確認された変異ウイルス)』には、効果が若干低下するものの、2回の接種完了によって有効と確認されています。

南アフリカで最初に確認された『ベータ株』やブラジルで最初に確認された『ガンマ株』も効果の低下が指摘されていますが、ある程度の予防効果は保てるのではないかと考えられています。こうした報告を総合的に見ると、現在確認されている変異ウイルスを理由に接種を取りやめる必要はないと思います」

Q.マスクなしで暮らせるのはどういう条件が整ったときで、どのくらい先になりそうでしょうか。

森さん「『屋内でも屋外でも完全にマスクを着用しなくてよい』という状況は、どのくらいの人が免疫を持つ状態になるかに委ねられています。『2~3年かかる』という見解を示す専門家もいます。海外の状況を見ると、ワクチン接種率が40%を超えたあたりで流行が沈静化しています。日本は欧米より感染者の割合が低く、現時点で国民の約0.6%であることを考えれば、ワクチン接種率が50%くらいになれば流行が沈静化し、屋外ではマスクなしで暮らせるようになるかと思います。

日本でのワクチン希望者の数にもよりますが、年内には希望者への接種が一通り完了するのではないかと予想しています。免疫を持つ人が60%から70%を超えれば、いわゆる『集団免疫』の獲得を期待できると言われていますが、集団免疫の効果がどれほどか、まだ分かっていませんし、若い世代の接種率は高齢者ほどではないと予想されていて、集団免疫によってマスクを完全に外せるほどの高いワクチン接種率を達成するのは少々、ハードルが高いと思います。

とはいえ、高齢の家族がワクチンを接種していれば、年末年始の帰省や親戚の集まり、少人数での会食などは問題ないといえる状況にはなっているかと思います。まずは、不特定多数の人が交わる場所でのマスク着用、手洗い、換気などの基本的な感染対策をしていれば、ある程度制限なく生活できるという状況が年内に戻ってくることを願っています」

(オトナンサー編集部)

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森まどか(もり・まどか)

医療ジャーナリスト、キャスター

幼少の頃より、医院を開業する父や祖父を通して「地域に暮らす人たちのための医療」を身近に感じながら育つ。医療職には進まず、学習院大学法学部政治学科を卒業。2000年より、医療・健康・介護を専門とする放送局のキャスターとして、現場取材、医師、コメディカル、厚生労働省担当官との対談など数多くの医療番組に出演。医療コンテンツの企画・プロデュース、シンポジウムのコーディネーターなど幅広く活動している。自身が症例数の少ない病気で手術、長期入院をした経験から、「患者の視点」を大切に医師と患者の懸け橋となるような医療情報の発信を目指している。日本医学ジャーナリスト協会正会員、ピンクリボンアドバイザー。

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