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1日何グラムまで? 適切な塩分摂取量と減塩のポイント

減塩意識の高まりから、日本人の塩分摂取量は減少していますが、それでもまだまだ目標達成できていません。ここでは、料理別の塩分摂取量や減塩のためのポイント、レシピについて解説します。

適切な塩分の摂取量はどれくらい?

塩分摂取量は10年間で約10%減っている

 家庭で使われる食卓塩やしょう油、みそなど多くの食品に減塩タイプが登場するほど、日本人の「減塩」意識が高まっています。平成27年11月に実施された「国民健康・栄養調査」によると、成人の1日当たりの食塩摂取量の平均値は10.0グラム(男性11.0グラム、女性9.2グラム)。平成17年は平均値が11.5グラムであったため、10年間で約10%の減塩に成功したことになります。

 しかし「日本人の食事摂取基準2015年版」によると、生活習慣病予防などを考慮した食塩摂取量の目標量は、成人男性=1日8.0グラム未満、成人女性=1日7.0グラム未満。ひと昔前までは「1日10グラムまで」という目標値が広く知られていましたが、生活習慣病の一つである高血圧症の予防策として、さらなる減塩の必要性が高まり、改訂されました。その結果、目標達成に至っていないのが現状です。

 ここでは、料理別の塩分量や減塩のポイント、減塩につながるレシピについて、料理研究家で管理栄養士の関口絢子さんに聞きます。

塩は体内でどのような働きをしているか

 そもそも、塩は体内でどのような働きをしているのでしょうか。

 塩の元素記号は「NaCl」。ナトリウム(Na)と、ミネラルの一つであるカリウム(K)が連携し、体内の水分バランスの維持や血液中のミネラル成分の調節をしています。ナトリウムが不足すると、筋肉の収縮がうまくいかず、筋力低下につながります。また、けん怠感や吐き気を引き起こし、食欲が低下することも。しかし、日常の食生活でナトリウム不足に陥ることはまずありません。

 食塩の過剰摂取でナトリウムが体内に増加すると、水分バランスを保つためにのどが渇きます。この時の水分補給によって血液中の水分量が増え、血圧上昇を招く一つの要因となります。ただし、食塩摂取による血圧上昇には個人差があり、以下のさまざまな要因が関連します。

遺伝:家族に高血圧症の人がいると上昇しやすい 

年齢:高齢者ほど上昇しやすい

性別:女性の方がやや上昇しやすい

体型:肥満の方が上昇しやすい

腎臓の機能:機能低下が進むほど上昇しやすい

 食塩を制限することによる血圧低下は、あらゆる研究で明らかにされています。そのため「高血圧症治療ガイドライン」では、高血圧症の患者に対し、1日6.0グラム未満という塩分制限が示されています。減塩をすることで血圧低下につながり、生活習慣病を予防できます。高血圧症になってからの塩分制限はさらに過酷なものとなるため、早いうちから予防を始めましょう。

料理別の塩分摂取量

 以下は、料理別の食塩摂取量(1食あたりの目安量)です。日頃から減塩を心がけている人が作った料理よりは食塩が多く使われているかもしれませんが、定食屋などで出される味付けでは、このくらいの塩分が含まれています。よく食べる料理を組み合わせ、1日の塩分量を確認してみてください。

【ご飯、パン、麺】

・ご飯…0グラム

・しょう油ラーメン…スープをすべて飲むと4.5グラム、スープを半分飲むと2.9グラム

・うどん、そば…つゆをすべて飲むと3.0グラム、つゆを半分飲むと2.2グラム

・つけつゆ(そうめん、そば)…0.9グラム

・食パン(6枚切り1枚)…0.8グラム

・食パン(マーガリンやバターを5グラムつけた場合)…0.9グラム

【メイン料理】

・肉じゃが…2.2グラム

・卵焼き…2.0グラム

・サバのみそ煮…1.2グラム

・アジの干物…1.0グラム

・魚の煮付け…0.9グラム

・しょうが焼き…1.3グラム

・麻婆豆腐…2.2グラム

・竜田揚げ…0.2グラム

・焼肉たれ付き(100グラム)…0.8グラム

・すき焼き…3.0グラム

・野菜炒め…0.9グラム

・とんかつ(ソースをかけた場合)…1.3グラム

・酢豚…1.5グラム

・ハンバーグ…3.0グラム

・ハンバーガー…2.5グラム

・シチュー…1.8グラム

・グラタン…2.2グラム

・スパゲッティーミートソース…3.4グラム

・チャーハン…3.5グラム

・焼きそば…2.7グラム

・オムライス…3.3グラム

・カレーライス…3.3グラム

・牛丼、カツ丼、親子丼…4.0グラム

【小鉢料理】

・野菜サラダ…フレンチドレッシングは0.3グラム、ノンオイルは0.4グラム

・ポテトサラダ…0.3グラム

・酢の物…0.7グラム

・ゴマ和え…0.8グラム

・おひたし…0.6グラム

・ひじき煮…1.1グラム

・カボチャの煮物…0.7グラム

・冷奴…0.3グラム

・フライドポテト…1.0グラム

・みそ汁、お吸い物…1.0グラム

「見えない塩」が含まれている加工食品

 食塩はしょう油やみそにも含まれています。いわば「見えない塩」です。この見えない塩が含まれている主な加工食品は次の通りです。

・うどん、そうめん

・パン

・干物

・ハム、ソーセージ

・練り製品

・漬物

・ツナ缶、サケ缶

・インスタント食品

・スナック菓子

 見えない塩が含まれている加工食品の多くには栄養成分表示が付いており、その商品に含まれる食塩量が示されています。よく購入する商品などは、食塩量を確認しておくと1日の摂取量を確認する目安になります。ただし、商品によっては食塩相当量の記載がなく「ナトリウム量(ミリグラム)」で記載されている場合も。その際は、ナトリウム換算係数(2.54)をナトリウム量に掛けると「食塩相当量(ミリグラム)」を算出できます。ナトリウム量400ミリグラムは食塩相当量約1.0グラムなので、一つの目安として覚えておくと便利です。

減塩のためのポイント

 知らず知らずのうちに多く摂取してしまいがちな食塩は、目標量を達成するのが難しいものです。今すぐ始められる減塩のポイントをご紹介します。

【減塩調味料を使う】

 今まで通りの使用量を守ることで、減塩を手軽に始められます。「減塩」「うすしお」「あさ塩」「甘塩」などの表記があるものはナトリウム(塩分)が少ないことを意味していますが、「うす塩味」は味覚に関する表示であり、減塩であるとは限りません。

【塩をほとんど含まない料理を1品作る】 

 減塩生活のためにすべての料理を薄味にしてしまうと、かえって食欲の低下を招きます。1品はしっかりと味をつけ、ほかの料理で減塩の工夫をするなど、料理ごとに味のメリハリをつけるのが長続きするコツ。塩をほとんど含まない料理のレパートリーを増やすのも良い方法です。

【薬味・香辛料・だしなどの風味を活用する】

 塩分を控えるために最適なのは「風味」です。以下の風味を活用すると、塩分に頼らずに風味を取り入れることができます。

・天然だし…カツオ、コンブ、いりこ、あごだし

・酸味…レモン、すだち、酢

・香辛料…コショウ、トウガラシ、カレー粉、柚子コショウ、マスタード、ワサビ

・特有の味や香りのある食材…海苔、ショウガ、ゴマ、クルミ、ニンニク、シソ、ミョウガ、ミツバ

・香りのある油…オリーブオイル、ゴマ油

【汁物は具を多めにして、1日1杯までにする】

 一般的に、汁物は1杯で1グラム以上の食塩量になります。みその使用量を減らしすぎると味が落ちてしまうため、だしを活用して液量を減らし、具を多くすることで0.8グラム程度に抑えることができます。

【適温で食べる】

 熱いものや冷たいものは、その温度でおいしさがアップします。

【調味料を計量する】

 計量することで使用量が明確になります。

【でき上がった料理に追加で調味しない】

 たとえば、魚の干物や青菜のおひたしなどに、食べる際に追加でしょう油をかけるのは控えましょう。

【旬の食材や新鮮な食材で料理する】

 旬の食材は素材そのものの味が豊かなので、調味料に頼らない料理がしやすいと言えます。

【漬物や梅干しなどは料理の味付けに使う】 

 漬物や梅干し、明太子などは小鉢料理などの味付けに使うのがポイント。プラスで食べる必要がなくなり、減塩につながります。

【スープやつゆは残す】 

 ラーメンやうどんなどのスープは、飲み方によって塩分の摂取量を抑えることが可能。すべて飲み干さず、少し残すように意識するのがコツです。

【味付けは気持ち薄めに】

 味付け時に味見をして、調味料を足してしまうことが濃い味への第一歩。少し薄いと感じる程度で仕上げてください。

減塩小鉢レシピ【アスパラガスのカレーマスタード】

 カレー粉に粒マスタードを混ぜることで、減塩調味料のダブル使いが可能。エネルギーは8キロカロリー、塩分は0.1グラムです。

【材料(2人分)】 

・アスパラガス…3本

・カレー粉…小さじ1/8

・粒マスタード…小さじ1/2

・塩…少々(0.2グラム)

【作り方】 

1.アスパラガスを1/3の長さに切ってゆでます。

2.ボウルにカレー粉、粒マスタード、塩を加えて混ぜます。

3.アスパラガスを「2」に加え、和えたら完成です。

減塩小鉢レシピ【かぶのオリーブオイル梅】

 梅干しを料理に活用した一品です。オリーブオイルの香りで、さらに減塩効果アップ。エネルギーは20キロカロリー、塩分は0.4グラムです。

【材料(2人分)】 

・かぶ…1個

・かぶの葉…1個分

・梅干し…1個

・オリーブオイル…小さじ1/2

【作り方】 

1.かぶはいちょう切り、かぶの葉は小口切りにします。梅干しはたたいて潰します。

2.ボウルに梅干しとオリーブオイルを入れて混ぜます。

3.「1」のかぶ、かぶの葉を「2」に入れて和え、冷蔵庫で30分寝かせて完成です。

適切な塩分摂取量を継続しよう 

「生活習慣病を予防するためには、適切な塩分摂取の目標量を継続することが大切。外食や加工食品の頻度が高い食生活では、塩分摂取量を抑えることは難しいのが現状です。家庭での料理を工夫し、少しずつ減塩料理に慣れることから始めてみてください。年齢を重ねるごとに味覚が鈍くなり、若い頃よりも濃い味を好むようになるため、若いうちから減塩を心がけるようにしましょう」(関口さん)

(オトナンサー編集部)

関口絢子(せきぐち・あやこ)

料理研究家・管理栄養士・インナービューティースペシャリスト

米国栄養カウンセラー、ヘルスケアプランナー。企業やウェブサイトなどの各種メディアで、レシピやコラム、企画提案などを行う。斬新なアイデアやニーズを捉えた企画が人気を博し、CM用のフードコーディネートやフードスタイリング、商業施設のフードプロデュースなど多岐にわたり活動。「毎日続けられること」をモットーに簡単・おいしい・おしゃれ、かつ美容と健康に直結したレシピを発信。自らの体調不良を食で克服した経験から執筆した著書「キレイになる!フェロモンレシピ」で「食から始めるアンチエイジング」をテーマに、女性が一生輝き続けるための食事法を紹介。セミナーや女性誌の特集で人気を集めている。オフィシャルブログ(http://ameblo.jp/ayako-sekiguchi/)。