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バーで男女が出会うシーン「あちらのお客様から…」、お酒をもらう女性には迷惑なだけ?

バーでは、「映画でよくある『あちら様からの』はやめた方がよい」との投稿がSNS上で話題に。その理由は「他人から飲みたくない酒を飲めと言われても」というものでした。マナーの専門家はどう見るでしょうか。

バーでお酒をごちそうされた女性は迷惑に感じる?

 SNS上で先日、よくバーに行くというユーザーが「映画でよくある『あちら様からの』は絶対にやめた方がよい」とツイート。居合わせた見知らぬ客にお酒をごちそうする行為の自制を求め、その理由として「自分の好きな酒を飲んでいる時に、他人から飲みたくない酒を飲めと言われても」と説明しました。

 これに対し「不愉快なだけ」「ほんとに余計なお世話」などと共感の声が上がる一方、「あちら様がお会計を済ませてくださいましたよなら可」と、会計を肩代わりするやり方はありがたい、といった意見も見られました。

やり取りの大前提は「関係性の構築」

 企業や大学などでの人財育成やマナーの視点からのコンサルティングを行い業績アップにつなげている、マナーコンサルタントの西出ひろ子さん(新著「かつてない結果を導く 超『接待』術」など国内外で70冊以上のマナー本がある)は「『あちらのお客様から』は現実にあるのですね。これだけ多くの人が体験していることに、率直に驚いています」としつつ、次のように話します。

「知らない人から突然、お酒をごちそうになるシチュエーションには誰でも戸惑いますね。特に現代では、面識のない人から突然、そうしたアクションを受けると『怖い』『下心があるのでは』と感じ、警戒してしまうのが当然でしょう。その上、飲みたくもないお酒を勧められるのは、迷惑だと感じることでしょう。マナー的な観点からすると本来、物品などのやり取りは関係性の構築が大前提です」(西出さん)

 今回のケースは、面識のない人とのやり取りである上、そもそも「おごりたい」「ごちそうしたい」という要望は一方的であり、相手には「自己中心的」と受け取られることも。マナーとは、相手の立場に立って互いに気持ち良い関係を構築し、その場をスムーズにするためのもの。どうしてもお酒をごちそうしたいのであれば、いきなり出すことはせず、まずはバーテンダーなどスタッフを通じて相手の意向をうかがうのがよいそうです。

「お店の人も、それを申し出た人に対して『まずは先方へうかがってきましょうか』などと提案することも一つの方法です。それは一見、申し出たお客様に失礼かもしれませんが、お店にとって双方のお客様をお守りすることは大事なこと。また、それはほかのお客様の迷惑を未然に防ぐことにもなるため、マナーとして大切なことです」

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西出ひろ子(にしで・ひろこ)

マナーコンサルタント、マナー解説者、美道家

ヒロコマナーグループ代表。一般社団法人「マナー&プロトコル・日本伝統文化普及協会」代表理事。大妻女子大学卒業後、国会議員などの秘書職を経て、マナー講師として独立。マナーの本場英国へ。オックスフォードにて、オックスフォード大学大学院遺伝子学研究者のビジネスパートナーと1999年に起業し、お互いをプラスに導くマナー論を確立させる。帰国後、名だたる企業300社以上にマナーコンサルティングなどを行い、他に類を見ない唯一無二の指導と称賛される。その実績はテレビや新聞、雑誌などで「マナー界のカリスマ」として多数紹介。「マナーの賢人」として「ソロモン流」(テレビ東京)などのドキュメンタリー番組でも報道された。NHK大河ドラマ「龍馬伝」をはじめ、NHKドラマ「岸辺露伴は動かない 富豪村」、映画「るろうに剣心 伝説の最期編」などのドラマや映画、CMのマナー指導・監修者としても活躍中。著書は28万部突破の「お仕事のマナーとコツ」(学研プラス)、16万部を超える「改訂新版 入社1年目 ビジネスマナーの教科書」(プレジデント社) など監修含め国内外で100冊以上。「10歳までに身につけたい 一生困らない子どものマナー」「かつてない結果を導く 超『接待』術」(共に青春出版社)など子どものマナーから、ビジネスマナー、テーブルマナーなどマナーのすべてに精通。ヒロコマナーグループ(http://www.hirokomanner-group.com)。
※「TPPPO」「先手必笑」「マナーコミュニケーション」「真心マナー」は西出博子の登録商標です。

コメント

1件のコメント

  1. マナー講師とか、マナーの専門家って思考回路がオカシイ人間が多いから要注意。
    昨年、コロナウィルスが日本に上陸してきた時に「接客業のスタッフがマスクを着けるのはマナー違反です」なんて言ってたからね。
    頭オカシイだろ!