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好き嫌いは甘やかし? 先生への怒りを乗り越え、娘の「小食」「偏食」と向き合う母

完食ではなく「成長」を評価する

 加えて、お母さんはこの取り組みを行った背景も教えてくれました。

「この取り組みを始めた背景には、娘の偏食と小食に対する学校側の理解と協力が難しかったということがあります。娘が給食を食べられないことに対して、学校側がしてくれたのは『減らして完食をめざす』ということでした。とにかく、食べられないなら減らせばいいだろうということです。そして、それはつまり、『減らしたなら、その分は必ず完食するべき』ということでした。

でも、娘は減らしても食べられないものがたくさんありました。減らすことだけでも罪悪感と劣等感を覚えているのに、それを食べられずにいると、『こんなに減らしているのになぜ食べられないの?』『約束した量がなぜ食べられないのか?』と責められ、毎日泣いていました。だから、減らしても給食が苦痛なのは変わらず、毎朝泣いて登校拒否をしていたのですが、学校側は『減らしているのになんで?』『何がそこまで嫌なのか?』と理解できない様子でした。

学校側の理解が得られない中で、結果として、『自分たちでどうにかするしかない!』といろいろ考え、思いついた取り組みでした。本当は学校と連携して取り組めたらもっといいんですけどね…」

「完食できたから褒める」というやり方がこれまで、家庭や教育の食卓の中でよく行われてきたと思います。しかし、完食を評価するよりも大切なのは「成長をしっかりと見てあげること」だと筆者は考えています。苦手なものでも口をつけられたら、それをしっかりと見てあげて、声に出して褒めてあげたり、今回紹介した事例のように視覚化して、成長を分かりやすくしたりすることもよい方法です。

 食べられない子どものことで悩んでいる大人は多いと思いますが、少しでも子どもの成長が見られたら、ぜひ、それを一緒に喜ぶような気持ちで食卓での時間を過ごしてみてください。

(日本会食恐怖症克服支援協会 山口健太)

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山口健太(やまぐち・けんた)

月刊給食指導研修資料(きゅうけん)編集長、株式会社日本教育資料代表取締役、一般社団法人日本会食恐怖症克服支援協会代表理事

人前で食事ができない「会食恐怖症」の当事者経験から、食べる相手やコミュニケーションの違いによって食欲が増減することを実感。既存の「食べない子」への対処法に疑問を感じ、カウンセラーとして活動を開始。「食べない子」が変わるコミュニケーションノウハウの第一人者として、延べ3000人以上の相談を受ける。著書に海外でも翻訳出版されている「食べない子が変わる魔法の言葉」(辰巳出版)などがあり、給食指導などの研修を保育所や学校などの栄養士・教職員に向けて行っている。「目からうろこの内容」と言われるほど“とにかく分かりやすい解説”と、今日からすぐに使える実用的な内容が特徴。月刊給食指導研修資料(きゅうけん)

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