小室圭さんで話題の米ロースクール、コロナ禍の夏休みと学生生活のリアル!
小室圭さんの留学で話題の米ロースクール。学生生活に対する新型コロナウイルスの影響は、どのようなものでしょうか。
小室圭さんが留学している米ニューヨークのフォーダム大学は、イエズス会系の名門私立大学として知られています。現在履修しているJDコースを修了すれば、法務博士の学位が与えられますが、新型コロナウイルスの影響でその学生生活にも変化が現れています。
今回は、ニューヨーク州弁護士のリッキー徳永(徳永怜一)さんに、現地の様子について伺います。徳永さんは日本の大学を卒業後、単身渡米し、ルイジアナ州ニューオリンズのTulane University Law School(LLM)に留学。ニューヨークに拠点を移して法律事務所で7年間勤務し、米国現地企業や日系企業に対する法的助言や契約書などの作成を担当しました。現在、シンガポールを拠点にしながらグローバルに活動しています。
ロースクールの現状はどうなのか
米国では感染者数が約194万人と最も多く、感染拡大の中心となっているニューヨークは全米の感染者の2割弱、死者の4分の1を占めています。その影響は、ロースクールなど大学の運営にも飛び火しています。
「小室さんが通うフォーダム大はニューヨークの他大学同様、依然として閉鎖されたままとなっています。ニューヨークは全米でも感染者が多く、リスクが高いですが、幸いにも授業はオンラインで完結するため、多くの留学生が帰国している状況です。しかし、新学期が始まる9月から対面での授業が再開されるめどは立っていません」
「フォーダム大のホームページによると、7月には状況が分かる見通しですが、大学の判断だけで再開することはできず、保健当局などからの指示次第でしょう。再開できることになるとしても、教室に入れる人数は限定され、ソーシャルディスタンスを求めれます。対面式とオンライン受講を組み合わせて最適化させる必要があるでしょう」
徳永さんが留学したときは、授業は100人規模、休み時間には廊下に集まって雑談するのが日常でした。この見慣れた光景も今後は変化していきそうです。
「最近は大学として学生の安全を第一に考え、生活と勉強の両面から全力でサポートする姿勢が見受けられます。アメリカでは、大学、学生、地域の連携が強いからです。そのため、地元の大学の学生であることは大きな支えになります。このような状況だからこそ、大学の丁寧な対応が求められているのです」
ロースクールの授業はどうなのか
これまで、授業は対面によるものが一般的でした。しかし、今回のコロナでそれが大きく変わり、オンライン形式に移行しています。
「新学期が始まる9月から、ロースクールは柔軟な対応を求められます。今後の見通しとしては、次のことが考えられています。
(1)安全第一に、授業開始は通常通り
(2)教室を再開できる場合、人数制限を設け、オンライン受講も併用
(3)受講形態の選択肢を増強
(4)講師が効果的なオンライン教育を提供できるよう、あらゆるツールを駆使
(5)学内イベントは継続実施するが、施設使用は授業を優先
今年の新学期は、今までにないスタートとなりそうです」
多くの米国の大学は5月に学期が終了し、9月から新学期を迎えます。この期間の過ごし方が大切だと、徳永さんは解説します。
「通常、ロースクール生は夏休み期間中にサマーインターンシップとして、法律事務所や裁判所で職務経験を積むことが多いです。就職活動の際、履歴書に書くことができ、就職に有利になるわけです。しかし、インターンシップは対面が前提ですので、今の状況でどこまでできるか疑問です。夏休み中に職務経験を積むことができなければ、今後のキャリアにも影響が出てくるでしょう」
「ただ、方法はあります。インターンシップは夏休みにしかできないわけではありません。学期の半ばでも、授業がない時間帯を利用して学校外で経験を積むことができるのです。
卒業生や教授のネットワークを駆使して、法律事務所の先輩弁護士を手伝いながら学ぶ方法です。一般的に、ロースクール生には優しい弁護士が多いのがアメリカ。学生ができる手伝いはリサーチなどに限られますが、実績次第で履歴書に書くことができる経験になるでしょう」
米国の大半の州で、新型コロナウイルスの感染拡大を抑制するために行ってきた外出制限が緩和されています。ニューヨークも、ここ数週間を見る限り、落ち着きが見られるようになってきています。大学の授業は再開されるのでしょうか。生活が早く通常モードに戻ることを願うばかりです。
(コラムニスト、著述家 尾藤克之)
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