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ディーン・フジオカ、ホラン千秋、船越英一郎、原田龍二…芸能人による「キャスター進出」の裏事情

芸能界で加速する“ボーダーレス化”

 一方、出演する芸能人の狙いは、芸能界で加速する“ボーダーレス化”への対応。近年、芸人やアイドルが報道・情報番組に出演するだけでなく、ドラマや映画に芸人の出演が増えるなど、活動フィールドのボーダーレス化が進んでいます。

 とりわけ影響を受けているのが俳優です。たとえば、現在放送中の「小さな巨人」(TBS系)には、春風亭昇太さん、児島一哉さん、桂文枝さん、好井まさおさんら芸人に加え、堀尾正明キャスターがレギュラー出演しています。キャスターがドラマ出演するほど芸能界全体がボーダーレス化しており、“働き場”を奪われている俳優が報道・情報番組に出ない理由はありません。

 もう一つの狙いとしては、表現者として“伝える”ことへの欲求。ドラマ・映画にしろ、バラエティー番組にしろ、報道・情報番組にしろ、“伝える”という役割に関しては同じであり、「一つの形にこだわる必要はない」と柔軟に考える芸能人が増えているのです。かつての「俳優の本分は演じることのみ」「芸人がまじめにコメントしちゃいけない」という考え方は、もはや時代錯誤とも言えるでしょう。

 そのほか、「報道・情報番組での伝える経験を本業に生かしたい」「報道・情報番組への出演はクリーンなイメージが定着しやすいから、CMのオファーが増えるかも」などの狙いもあります。

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木村隆志(きむら・たかし)

コラムニスト、コンサルタント、テレビ解説者

雑誌やウェブに月間30本前後のコラムを寄稿するほか、「週刊フジテレビ批評」などに出演し、各局のスタッフに情報提供も行っている。取材歴2000人超のタレント専門インタビュアー、人間関係のコンサルタントとしても活動中。著書に「トップ・インタビュアーの『聴き技』84」「話しかけなくていい!会話術」など。

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