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春は別れの季節? 「離婚」と「保険」の憂うつな関係

夫婦で返戻金を奪い合う、人生の皮肉

 その後、何の連絡もなく無事に夫婦生活を継続していることもあれば、予想通り離婚することもありますが、そうした場合でも、実際に保険を解約するケースはまれです。

 その理由の一つは、保険を早期に解約した場合、損をしてしまうことが多いため、「返戻金相当額」の半分を夫側から妻側に支払うことで合意し、その後、保険自体は夫が継続するということがあります。

 また、お子様がいて養育費を支払う合意がなされている場合、保険受取人をお子様に変更することで、夫が死亡した場合の養育費の保障を用意することができます。夫婦の関係は破綻していてもお子様への愛情は別物。万が一の対策として、双方ともお子様にはお金を残しておきたいと思うのでしょう。

 結婚や第1子の出産など「人生のイベント」があった時は、保険に入るタイミングでもあります。そのため、新婚時や、お子様が生まれたての時期など、幸せいっぱいのご夫婦にお会いすることも多いのですが、その後、数年を経て別々の道を歩むことになり、幸福の絶頂期に入った保険の返戻金を奪い合うことになるのは、人生の皮肉と言えます。

 ちなみに、離婚すると保険の事務処理として、「保険金の受取人変更」という手続きがあります。書類の郵送でも行うことができますが、経験上、呼び出されることが多いです。きっと、誰かに話を聞いてほしいのでしょう。

 別れたパートナーへの、愚痴とも悪口とも言えない話を長時間、聞くのはツラいことですが、これも保険屋の“憂うつな仕事”なのです。

(株式会社あおばコンサルティング代表取締役 加藤圭祐)

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加藤圭祐(かとう・けいすけ)

あおばコンサルティング代表取締役、1級FP技能士、宅建士

大手外資系生命保険会社にて11年間、個人・法人のコンサルティング業務に従事。2015年に株式会社あおばコンサルティングを設立。日本初の、チャットでのお金のサービス「みかづきナビ」を開始。現在ではzoomも活用し、FP相談や保険相談で顧客の課題解決に取り組んでいる。みかづきナビ(http://www.mikazuki-navi.jp/)。

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