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寝屋川市、窓口業務12時間の「サービス改革」開始へ 働き方改革や財政と両立は?

大阪府寝屋川市が「窓口サービス改革」に取り組みます。財政難の中、市民の利便性向上と働き方改革、財政健全化を同時に実現できるでしょうか。

寝屋川市の「窓口サービス改革」とは?
寝屋川市の「窓口サービス改革」とは?

 大阪府寝屋川市は2020年4月から、戸籍関係の届け出(転入・転出届、出生届など)や納税相談など本庁舎の窓口業務を平日午前8時から午後8時までに延長するとともに、元客室乗務員を中心とする「接客のプロ」を採用して窓口に配置するなど「窓口サービス改革」に取り組みます。市によると、12時間の窓口対応は全国でも珍しい取り組み。市民の利便性が高まりそうな試みですが、一方で、同市は週休3日も可能な完全フレックス制を導入しています。

 地方自治体の財政も厳しいとされる中、市民の利便性向上と働き方改革、財政健全化を同時に実現できるのでしょうか。市民生活部窓口改革室の担当者に聞きました。

来庁者分散で業務を平準化

Q.窓口サービスの延長について、平日午前8時から午後8時までとした理由と、月1回の日曜開庁をやめて毎週土曜午前中に開庁することにした理由を教えてください。

担当者「開庁時間延長は、共働き世帯が増加する中、子育て世代に寄り添うためです。市民課、税務室、保険事業室について、平日の時間延長と土曜開庁を行います。週末の開庁については、コンビニも24時間営業を見直す時代にあって、職員の働き方改革と市民の利便性向上を両立させたいと考えた結果です。本庁舎の日曜開庁を廃止する一方、毎週土曜日の午前中を開庁することで業務の分散化を図ります。

また、京阪寝屋川市駅南口にある『ねやがわシティ・ステーション』は現状通り、土日を含む毎日午前9時から午後8時に住民票発行などを行います」

Q.ネットでは「働き方改革に逆行しないだろうか」という声があります。窓口の時間延長と両立できるのでしょうか。また、「接客のプロ」採用や窓口時間の延長は財政負担にはなりませんか。

担当者「フレックスタイム制の活用でバラつきのある業務を平準化し、働き方改革と開庁時間の延長を両立させます。例えば、開庁時間を長くしたり、毎週土曜日午前に開庁したりすることで来庁者が分散すれば、少ない人数で対応することも可能になります。また、新予算編成システムによる業務の見直しなどで時間外勤務手当を減少させ、その財源をもとに新たな職員採用を行います」

Q.窓口対応向上のために新規採用する、任期付き短時間勤務職員について教えてください。

担当者「2020年度採用予定は最大15人です。元客室乗務員やホテル従業員などの接客業経験者と、経験がなくてもホスピタリティーマインドのある人材を『求める人物像』としています。15人のうち12人は公開オーディション方式で採用試験を行う予定です」

Q.「オーディション」を公開で行うとのことですが、一般市民に公開してのオーディションということでしょうか。

担当者「一般市民には公開しませんが、マスコミには一部公開する予定です」

Q.サービス業経験者は接客にはたけていると思いますが、行政事務に関しては未経験のケースが多いと思います。市民から窓口で問い合わせがあった場合の対応などで不安はないのでしょうか。

担当者「窓口で適切に対応できるよう研修などを実施し、経験を重ねることで対応幅も広がると考えています。なお、税や国民健康保険料の納付相談など専門性の高い分野の問い合わせは正職員が対応します。不安はありません」

Q.専門職員だけが窓口に入るのでしょうか。それとも、ほかの職員の模範になることを期待しているのでしょうか。

担当者「業務内容に応じて正職員も窓口対応します。的確でスムーズな案内の実施やプロの接客を職員が間近で感じることで、市役所全体のスキルの向上につながると考えています」

Q.ほかにも、窓口サービス改革でさまざまな取り組みを予定しているようですが、特徴的なものを教えてください。

担当者「転入手続きや出生届などの窓口対応に関する電話やスマホによる予約サービスの開始、住民票などについてオンライン申請などのデジタル化も行います。先述した、接客のプロによる高いサービス品質、開庁時間の延長なども合わせ、すべてがサービス向上につながるものと考えており、これからも『お待たせしない市役所』づくりを推進していきます」

 窓口サービス改革の関連経費約3800万円を盛り込んだ2019年度補正予算案は、昨年12月17日の市議会本会議で可決されています。

(オトナンサー編集部)

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