オトナンサー|オトナの教養エンタメバラエティー

節分の豆まきに「殻付き落花生」が使われるのはなぜか

生産量日本一の千葉県では啓発活動も

 そもそも殻付きの生産量日本一は千葉県で、全体の約8割を占めています。県内約100の殻付き関連業者からなる千葉県落花生協会(千葉市中央区)では、節分に殻付きを使ってもらおうと、以前より県内で啓発活動に取り組んでいます。その一環として、地元新聞やタウン誌と連携し、読者へのプレゼント企画を行っているといいます。「千葉県の名産である殻付きを節分に撒くという文化を、今後も広めていきたいですね」。

 毎年節分には、同県成田市の寺院「宗吾霊堂(そうごれいどう)」で、「節分会(せつぶんえ)」と呼ばれる奉納行事を行い、終了後に殻付きを撒いているとのこと。そのほか、同市の成田山新勝寺が協会の活動とは別に、独自で芸能人や力士を招き節分イベントを行っています。やはりそこでも大豆のほかに、殻付きを撒いているようです。

企業は節分商戦に殻付きを販売している

 生活文化としての節分が存在する一方で、経済としての節分も存在します。関連企業の対応はどうなっているのでしょうか。豆菓子メーカー大手「でん六」(山形市)では「1月の三が日直後から始まる」(広報部)という節分商戦に合わせて、期間限定で殻付きを販売しています。「当社では100グラムと250グラムの2タイプをそろえています。毎年一定のニーズはありますが、売り上げとしては数百万円と、ごくわずかですね」。

 同社では、従来の殻付きニーズに並行する形で、個包装タイプの大豆製品を積極的にPRしています。「『雪の中で撒いたものを拾いやすい』という見方であれば、個包装タイプも同じ機能を持っていますからね」。ちなみに、同社の商戦期間における売上高は、年間総額の「10分の1程度」とのことです。

1 2 3

コメント