節分の豆まきに「殻付き落花生」が使われるのはなぜか
きょう2月3日は「節分の日」です。節分といえば、真っ先に豆まきを思い浮かべる人も多いはずですが、地域によっては大豆ではなく、殻付きの落花生を使うケースもあります。その理由を探ってみました。

「鬼は~外~!、福は~内~!」
きょう2月3日は節分です。炒った大豆を鬼にぶつけて一年の無病息災を願う日として、古くから日本人に深く親しまれています。博報堂生活総合研究所が2016年に行ったアンケート調査では「節分に豆まきをする」と答えた人は、調査を開始した1992年の55.4%から41.6%(2016年)へと大幅に減少しているものの、この時期になると、メディア報道などでその伝統文化に思いを寄せる人も少なくないはずです。
そのような節分ですが、いくつかの地域では、大豆ではなく「殻付きの落花生」(以下「殻付き」)を使うところがあるようです。豆まきといえば「大豆」しか知らなかった、オトナンサー編集部の記者がその現状や背景を取材すると、興味深い話に辿り着きました。
業界団体「殻付き使用は降雪地帯に集中」
「約22%の人が『殻付き』を使っていることが分かりました」
落花生文化などの普及啓発を行う全国落花生協会(東京都港区)の担当者は、2014年に都内で行われた農業祭でのアンケート調査を元にこう話します。地域別では、北海道や東北、新潟、長野、九州地方の一部に集中しており、これらの地域に共通するのは降雪量が多いことだといいます。
その理由について、担当者は「雪の中に撒いた時に、大豆よりも殻付きの方が拾うのが楽ですし、後で食べることを考えると、殻付きの方が衛生的であるからとされています」と説明します。
「当時から殻付きを撒くのは当たり前でしたね。一度、雪の中で大豆を撒いてみたら、小鳥がついばみに来たことがありました」。北海道出身で、現在は関東在住の男性(40代後半)は自らの幼少期を振り返り笑顔を浮かべます。地元のスーパーマーケットでも、殻付きが並んでいる光景は当たり前だったといいます。
殻付きがいつから使われているかは「明らかになっていません」(担当者)。しかし、北海道に限っていえば、「日本国内で大豆の生産が増えた昭和30年代から40年代にかけて、切り替わってきたとされています」。
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