新鮮に見えるから? オクラが「緑色」の「ネット」に入れて売られている理由
ポリ袋に入れて販売される野菜が多い一方で、オクラはほとんどの場合、緑色のネットに入れて売られています。なぜ「ネット」、それも「緑色」なのでしょうか。

夏が旬のオクラは今の時期、スーパーマーケットの野菜売り場でよく見かけます。売り場の野菜の多くはポリ袋などに入れて売られていますが、オクラはほとんどの場合、丈夫な緑色のネットに入れて販売されています。他の野菜と同様、ポリ袋に入れて売ることも可能なはずですが、なぜ「緑色」の「ネット」に入れて販売しているのでしょうか。
オクラの生産量日本一で、全国シェアの約4割を占める鹿児島県のJA鹿児島県経済連野菜振興課、政元亮さんに聞きました。
始まった時期や背景は不明
Q.オクラを緑色のネットに入れて販売するのは、なぜですか。
政元さん「オクラは、温度や湿度が高くなり蒸れると、傷みが早くなります。そのため、ネットに入れて販売し、通気性を確保することで蒸れの解消につなげています」
Q.ネットの色が、オクラと同じ緑色なのはなぜですか。
政元さん「ネットの色を緑色にしているのは、オクラの色に合わせているからです。ネット上には、『オクラが新鮮できれいな色に見せるため、色の同化現象を利用して緑のネットに入れている』という声もありますが、そのような意図で使用しているわけではありません」
Q.いつごろから、どのような背景があって緑色のネットに入れるようになったのですか。
政元さん「実は、いつから緑色のネットの使用を始めたか、どのような背景から緑色のネットを使い始めたかは、はっきり分からないのです。ただ、少なくとも40年前には、緑色のネットを使用していたとは聞いています」
Q.現在、日本で販売されているオクラは、ほとんどが緑色のネットに入れて販売されているのですか。ネット以外で売られている場合は、どのような形でしょうか。
政元さん「日本で販売されているオクラは、ほとんどが緑色のネットに入れて売られていると思われます。ただ近年は、ネット以外に入れて売られる場合もあり、袋入りや、フィルムタイプの形態も見られるようになっています」
Q.ネット入りで販売することで、消費者にとって便利なことはありますか。
政元さん「オクラを調理する前に下処理として、表面についている産毛を塩もみして取る作業があるかと思います。ネットに入れたままであれば、水をかけて洗い、塩を振りかけて、オクラの産毛を擦ってから水で洗うという作業がしやすくなります。ボウルなど別の容器を使用する必要がありません」
Q.オクラ以外に、タマネギなどもネットが使われることがあります。タマネギもオクラと同じ効果を狙っているのでしょうか。また、他にネットに入れて販売されている野菜はありますか。
政元さん「他の野菜でも、通気性の確保という意味では、オクラと同様かと思います。オクラやタマネギ以外には、ニンニクもネットに入れて販売していることがあります」
(オトナンサー編集部)
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