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小室圭さんで話題の米ロースクール、修了しても簡単に司法試験は受けられません!

最新の情報を入手する作業が必要

「LLMはJDと異なり、司法試験を受験することを前提にした課程ではないので注意が必要です。日本で法学教育を受けていても、LLMを修了したからといって受験資格を自動的に満たせるわけではありません。さらに、American Bar Associationという団体から認可されたロースクールでなければ受験できません」

 いずれにしても、LLMを始める前から受験を視野に入れた準備が必須のようです。

「準備は、LLMの開始早々始まります。まず、授業の選択が重要です。弁護士職務規範、リーガルライティング・リサーチ、合衆国憲法など司法試験科目となっている米国基本法などの単位を一定数取得しなければいけません。同時に、日本での法学教育が受験資格要件を満たすかの判断をニューヨーク州司法試験委員会からしてもらう必要があり、Online Foreign Evaluation Formと成績証明書等の関係書類を提出することを求めています」

「その締め切りは意外に早く、7月の試験を目指すのであれば、前の年の10月までに書類を提出しなければいけません。提出書類には、日本の大学から取り寄せるものもあるため早めの準備が必要です。提出書類として、成績表、卒業証明書、弁護士資格証明書、または司法試験受験資格の法学教育修了証明書、教育機関の認可証明書などがあります」

 徳永さんの場合、渡米する前にあらかじめ大学から英文の成績表と卒業証明書を何通かもらっておいたとのこと。当時、日本に法科大学院はなく、司法試験受験資格というものが特になかったため、提出する書類は今に比べて少なかったようです。

「留学するロースクールによっては、ニューヨーク州司法試験準備をする外国人LLM留学生をサポートしてくれる担当者や卒業生がいることもあるので、そうしたリソースを活用するのも一つの手です。最終的な受験資格の正式判断をもって、晴れて受験することができます。また、その判断は個別になされます。準備に余裕を持って慎重に申請することをお勧めします」

 なお、受験資格の規定やその判断については、毎年変更されています。傾向としては、より受験資格のハードルが高くなっているとのこと。www.nybarexam.orgまたは、在学しているロースクールに問い合わせて、最新の情報を入手する作業が必要です。

(コラムニスト、著述家 尾藤克之)

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尾藤克之(びとう・かつゆき)

コラムニスト、著述家 尾藤克之

コラムニスト、著述家。
議員秘書、コンサル、IT系上場企業等の役員を経て、現在は障害者支援団体の「アスカ王国」を運営。複数のニュースサイトに投稿。代表作として『頭がいい人の読書術』(すばる舎)など21冊。アメーバブログ「コラム秘伝のタレ」も絶賛公開中。

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