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【自閉症】23歳ひきこもり長男、初診先が廃院でピンチ 月7.6万円の「障害年金」へつなげた社労士の提案

社労士が提案したこととは?

 そこまで確認できた私は、落ち込んでいる母親に次のように言いました。

「もし2番目の病院にカルテが残っており、そこで7歳から受診したことが証明できれば、つまり2番目の病院で受診状況等証明書を作成してもらえれば、初診日の証明はクリアできます」

「えっ、そうなのですか。1番目の病院で証明ができなくても大丈夫なのでしょうか」

「大丈夫です。20歳前に病院を受診していたことが証明できれば、1番目の病院でなくても構わないからです」

 私はそう言い、その理由を説明することにしました。

 障害年金では「保険料の納付要件」というものがあります。これをざっくり言うと「20歳になって公的年金に加入してから初診日の2カ月前までの間に未納期間が多すぎないか」というものです。

 もし未納期間が多すぎると、そもそも障害年金の請求ができません。このような条件があるため、初診日の証明を文書で確定させなければならないのです。

 そしてこれを言い換えると「公的年金に加入する20歳前に受診したことが証明できれば、保険料の納付要件は自動的にクリアします。つまり、障害基礎年金の請求はできます」ということになるのです。

 面談の最後に私は言いました。

「まずは2番目の病院に問い合わせ、カルテが残っているかどうかを確認してみましょう。もしカルテが残っていたら、受診状況等証明書の作成を依頼します。息子さんの同意が得られれば、私が代わりに動くこともできます」

「分かりました。ぜひお願いいたします」

 面談後、隼人さんから同意を得られた私は2番目の病院に問い合わせてみました。すると幸いにも当時のカルテが残っていることが分かりました。

 そこで私は2番目の病院に受診状況等証明書の作成依頼をするとともに、その他の必要書類もそろえていきました。その結果、隼人さんは無事に障害基礎年金の2級が認められました。金額は次のようになります。

【障害基礎年金2級】
障害基礎年金 7万608円
障害年金生活者支援給付金 5620円
合計 7万6228円
※金額は2026年度のものでいずれも月額。

 今回のケースでは幸いにも当時のカルテが残っていたため、障害基礎年金を請求することができました。

 しかし、いつもこのようにうまくいくとは限りません。病院が廃院していたり、カルテが破棄されてしまったり、受診の証明が困難になってしまうことも多くあるからです。

 そのようなことを防ぐため、今は障害年金を請求する予定がなくても、念のため受診状況等証明書は先に入手しておくとよいかもしれません。

(社会保険労務士・ファイナンシャルプランナー 浜田裕也)

【画像】「知らなかった…」 これが、ひきこもりの人に絶対にやってはいけない“NG行為”です

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浜田裕也(はまだ・ゆうや)

社会保険労務士、ファイナンシャルプランナー

2011年7月に発行された内閣府ひきこもり支援者読本「第5章 親が高齢化、死亡した場合のための備え」を共同執筆。親族がひきこもり経験者であったことから、社会貢献の一環としてひきこもり支援にも携わるようになる。ひきこもりの子どもを持つ家族の相談には、ファイナンシャルプランナーとして生活設計を立てるだけでなく、社会保険労務士として、利用できる社会保障制度の検討もするなど、双方の視点からのアドバイスを常に心がけている。ひきこもりの子どもに限らず、障がいのある子ども、ニートやフリーターの子どもを持つ家庭の生活設計の相談を受ける「働けない子どものお金を考える会」メンバーでもある。

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