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日本は世界の負け組か “謙遜”する姿勢に問題あり?

日本人に最も必要なメンタリティーは、「健全な図々しさ」だと主張する鳥居祐一さん。その真意とは、どのようなものでしょうか。

日本人は謙遜することで損している?
日本人は謙遜することで損している?

 平成が終わります。「国民生活に関する世論調査」(内閣府)によると、「政府はどのようなことに力を入れるべきだと思うか」という質問に対して、「社会保障の整備」「高齢社会対策」「景気対策」を求める声が多いことが分かります。これは、各種メディアが実施する世論調査でも同じです。理由は、景気回復を実感している国民が少ないことに帰結します。

 この20年で、欧米の給料は平均で2倍になりました。ところが、日本では20年前の水準を下回っています。これでは、景気を実感できるわけがありません。デフレでモノが安いからどうにか生活はしていけます。さらに、厳しい政策を打ち出す政治家よりも、曖昧な政治家が選ばれるという現実。国民にも危機感がありません。

「日本人にとって最も必要なメンタリティーというのが、ある種の『健全な図々しさ』だと思っています」。このように主張するのは、ベストセラー作家の鳥居祐一さん。近著に「遠慮しない生き方」(サンマーク出版)があります。

謙遜することを美徳と考える日本人

 褒めたり、持ち上げたりすると、「いや、とんでもないです」と謙遜する人がいます。日本では、このような振る舞いや話し方が尊重されます。しかし、謙遜しすぎると伝わりにくくなるので注意が必要です。では、私たちは、言葉をどのように捉え、意識し、行動していけばよいのでしょうか。鳥居さんは次のように解説します。

「一般的に日本人は遠慮することが『美徳』だと思っています。それは良い面でもあるのですが、その結果、わが国がこの30年でいまだデフレから脱却できない状況にいる一因である気がします。人生はそんなに長くありません。自分の人生ですから、本来は他人のことなど気にせずやりたいことをやり、自由に楽しい人生を送るべきです」(鳥居さん)

「私はアメリカ生活が長いため、一般的な日本人と感覚が少々違うかもしれません。日本社会では、遠慮して物申さないことは『協調性がある』と評価されがちですが、諸外国では、自分の意見を言わないことは『フェアではない』と判断されてしまいます」

 実は「遠慮」というのは日本人独特の習慣であり、この言葉そのものが、英語には存在しないようです。

「図々しいくらいの積極性がないと、その他大勢の中に埋もれて真価を発揮できません。この考え方は、『和をもって尊しとなす』という日本古来の考え方からすると、ちょっと勇気のある生き方かもしれません。私は多くの外国人と交流する中で、日本人は遠慮することにより、ビジネス以外の面でもとても損していると感じています」

近隣諸国を見れば日本の実情が分かる

 鳥居さんは「近隣諸国を見れば、日本の実情が分かります。特に、ランチにその傾向が表れる」と指摘します。鳥居さんの感覚では、ランチはオーストラリアが2000~3000円、中国、韓国でも1000円以上。日本はアジア最安値に近いとのこと。確かに、オーストラリアでラーメンを食べると2000円くらいはしますから実質日本の2倍以上です。

「日本の物価は高い」という考え方は、時代錯誤と言ってもよいでしょう。さて、平成が終わります。この機会に自分の行動を振り返ってみてはいかがでしょうか。日本の常識が、世界の非常識になりつつあることを理解した方がよいかもしれません。

(コラムニスト、明治大学サービス創新研究所研究員 尾藤克之)

尾藤克之(びとう・かつゆき)

コラムニスト、明治大学サービス創新研究所研究員

東京都出身。代議士秘書、大手コンサルティングファームにて、経営・事業開発支援、組織人事問題に関する業務に従事、IT系上場企業などの役員を経て現職。現在は障害者支援団体のアスカ王国(橋本久美子会長/橋本龍太郎首相夫人)をライフワークとしている。NHKや民放各社のテレビ出演や、経済誌などからの取材・掲載多数。著書も多く、近著に「3行で人を動かす文章術」(WAVE出版)がある。埼玉大学大学院経済学研究博士課程前期(経済学修士、経営学修士)。

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