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しっかり寝ているのに眠い…「過眠症」の原因・症状・治療法 睡眠不足との違いは?

肥満や鉄分不足が原因の可能性も

Q.過眠症を発症しやすい人の特徴はありますか。

井上さん「10代半ば~20代に多く見られ、性差はありません。女性の場合は、鉄分不足が要因となる周期性四肢運動障害によって眠くなる場合があります。睡眠時無呼吸症候群は、肥満体形の中年男性に多いです」

Q.過眠症の診断基準とは。

井上さん「日本人の平均睡眠時間はだいたい7時間です。『毎日7時間眠っている』『極端な夜更かしはしない』など、睡眠習慣に大きな乱れがないにもかかわらず、日中に強い眠気を感じる場合、過眠症を疑います。これを判断するために、望ましい睡眠量を取る期間の目安は2週間以上です。

なお、昼食の後に眠気を感じたことがある人は多いと思いますが、昼食の後というタイミングは体内時計の眠くなるゾーンに該当するため、誰にでも当てはまる生理現象で、必ずしも過眠症とは言えません」

Q.では「毎日7時間眠っているのに昼間眠い」場合は、過眠症を疑った方がよいのでしょうか。

井上さん「『適切な睡眠量』は人によって異なります。睡眠量は、体質の違いも大きく関係しているため、個人差が大きいのです。3~4時間睡眠でも安定したパフォーマンスを発揮できる『ショートスリーパー』と、7~9時間程度の睡眠量を必要とする『ロングスリーパー』がいます。また、体内時計の乱れによっても眠気は生じます。従って『毎日7時間眠っても、昼間眠い』というだけでは、過眠症とは判断できません」

Q.では、病院の診察を受けるべき症状の目安や基準はありますか。

井上さん「過眠症は、検査を行わなければ症状の判断ができません。当院への来院のきっかけでも、『職場の人に言われた』など社会生活に支障をきたしていることを周囲に指摘されたケースと、『眠気が強すぎて仕事が終わらない』などご自身である程度の自覚を持たれているケースがあります。日常生活への支障がはっきりし始めたら、診察を受けるべき目安と考えてよいでしょう。睡眠科や睡眠外来など、睡眠の専門医がいる病院を選んでください。

また、日常生活のさまざまな状況下において、どのくらい“うとうと”するかを点数化する『エプワース眠気尺度』というものがあり、過眠の傾向を自己診断することもできます」

Q.過眠症の治療法はどのようなものでしょうか。

井上さん「原因によって異なるため、基本的には専門医の診察を受け、判断を委ねることになります。中枢性過眠症の場合、眠気を抑える薬を処方します。一方、睡眠時無呼吸症候群の場合は、器具を使って無呼吸状態の改善を図ります」

Q.過眠症を予防する方法はありますか。

井上さん「中枢神経障害に基づく過眠症は原因が解明されていないので、現時点では予防法はありません。睡眠時無呼吸症候群は、肥満が原因になりやすいので、体重を自己管理しましょう。女性の場合は、周期性四肢運動障害の原因となる鉄分不足を予防するため、サプリメントを取り入れるのも有効でしょう」

(オトナンサー編集部)

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井上雄一(いのうえ・ゆういち)

医療法人社団絹和会 睡眠総合ケアクリニック代々木理事長

1956年生まれ。1982年に東京医科大学卒業、鳥取大学大学院に入学。1987年、医学博士・鳥取大学医学部神経精神医学助手。1994年、同大講師。1999年、順天堂大学医学部精神医学講師、2007年より東京医科大学精神医学講座教授(現職)。2008年より東京医科大学睡眠学講座教授(現職)。2011年より、医療法人社団絹和会理事長(現職)。日本睡眠学会・日本薬物脳波学会の理事、日本自律神経学会・日本時間生物学会・日本臨床神経生理学会などの評議員を務める。睡眠総合ケアクリニック代々木(https://www.somnology.com/)。

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