オトナンサー|オトナの教養エンタメバラエティー

人間関係に疲れた! 上司をギャフンと言わせたい? 成すべきことをして果報を待て?

日本人の特性から見えてくるもの

 次に、佐奈さんは日本人特有の性質について解説します。

 まず、日本人は昔から縁起を大切にする民族です。大安に結婚式を挙げたり、葬儀は友引を避けるなど、このような考え方が生活に密着しています。縁起といえば、ことわざも忘れてはいけない存在です。

 思いがけない幸運に巡り合う意味として、「棚からぼた餅」ということわざがあります。棚から牡丹餅が落ちてきたという意味で幸運を意味しますが、同じような意味のものに、「海老で鯛を釣る」「果報は寝て待て」などがあります。努力をせずに幸運にありつきたい人間の本音を表したものとされています。

 中国には「守株待兎(しゅしゅたいと)」ということわざがあります。株を守ってウサギを待つという、牡丹餅がウサギに変わった意味になります。ある農夫が狩猟もせずに休んでいたところ、ウサギが切り株にぶつかり努力をせずにおいしいウサギを仕留められたというものです。

 この話にはオチがあります。翌日も農夫はウサギがぶつかることを期待して何もせずに待っていました。3日が過ぎ、1週間が過ぎ、1カ月が過ぎました。結局、農夫はウサギを得ることができずに、自分の田畑も荒廃させてしまいました。本来、やるべき仕事を放棄してはいけないという戒めの言葉です。

「棚から牡丹餅」も、牡丹餅が落ちてくるのを待っていても何も落ちてきません。「海老で鯛を釣る」は、少しの投資で大きな利益を得ることですが簡単ではありません。「果報は寝て待て」も、寝ていたら果報が来るのではなく、全てをやりきったらあとは寝て待ちなさいという意味です。ことわざにはちゃんと「オチ」があります。

 本書は、佐奈さんがこれまで経験してきたノウハウを分かりやすく説いています。その考え方は私たちにとって、何らかのヒントになるかもしれません。

(コラムニスト、著述家、明治大学サービス創新研究所客員研究員 尾藤克之)

1 2

尾藤克之(びとう・かつゆき)

コラムニスト、著述家、明治大学サービス創新研究所客員研究員 尾藤克之

東京都出身。代議士秘書、大手コンサルティングファームにて、経営・事業開発支援、組織人事問題に関する業務に従事、IT系上場企業などの役員を経て現職。現在は障害者支援団体のアスカ王国(橋本久美子会長/橋本龍太郎首相夫人)をライフワークとしている。NHKや民放各社のテレビ出演や、経済誌などからの取材・掲載多数。著書も多く、近著に「頭がいい人の読書術」(すばる舎)がある。埼玉大学大学院経済学研究博士課程前期(経済学修士、経営学修士)。

筆者への連絡先
FB:https://fb.com/bito1212
TW:@k_bito

コメント