社内交渉はビジネスの基本 もっと貪欲に、もっとしたたかに根回しをせよ!
もっと貪欲に、もっとしたたかに
船ヶ山さんは、「サラリーマンだから給料は決まっている」という思い込みを捨てることが大切だと解説します。これはどのような意味でしょうか。
「会社というのは、ビジネスを行う上での『舞台の一つ』に過ぎません。売り上げに影響する役者になればギャラが上がるように、サラリーマンであっても会社の売り上げを大きく左右する存在となれば、社長のあなたを見る目が変わってきます。これは簡単な実験で、あなたの位置付けと価値を計測することができます」
「至ってシンプルで、あなたが『会社を辞めます』とボソッということで判断できます。その際、『ちょっと待ってくれ、今の給料の2倍かつ役職をつけるから辞めないでくれ』と泣きつかれたら、あなたが会社に与える影響は大きいということです。何も起きないとしたら、会社に与えている影響は低いということになります」
そう考えると、売り上げに直結する部署の方が、インパクトが大きいと考えられます。しかし、社内交渉すらできない人が多いのが現実ではないでしょうか。
「そこでつまずいている限り、成功することはありません。これは社内に限ったことではなく、このような人は、転職しようとしても面接で落とされて、独立してもお客が取れずに会社が立ち行かないというジレンマに陥るだけです。まずは社内交渉にトライしてください。小さくていいので行動してみてください。交渉したところで失うものなど何もありません。だったら、交渉しない方が損というものです」
根回しは必要コストと考える
社内交渉には、日頃の人間関係が大切になります。日本的にいえば根回しになります。優秀なビジネスパーソンには、根回しや用意が周到な人が多いと思います。日露戦争の際、伊藤博文が、米国のルーズベルトの元に同級生を向かわせて、仲介の「根回し」をした例もあります。国際紛争の場においても根回しは効果的です。
根回しにかかる手間や労力は必要コストと考えなくてはいけません。キーマンにお伺いをたてることは必要コストです。日本の社会で、完全にオープンで公平なものなどは存在しません。もし、根回しを拒否されたら、まだ機が熟していないことになります。根回し可能なら、あとは流れに任せてしまうこと。いずれ吉報が届くでしょう。
(コラムニスト、著述家 尾藤克之)
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