社内交渉はビジネスの基本 もっと貪欲に、もっとしたたかに根回しをせよ!
著書に「武器としてのビジネススキル」がある起業家の船ヶ山哲さんに、これからのビジネスパーソンに求められる要件について伺います。
ビジネスの現場は常に変化しています。不安定な時代を勝ち抜くためには、常識的なことや思い込みの壁を取り払わなくてはいけません。今回は起業家の船ヶ山哲さん(以下、船ヶ山さん)に、これからのビジネスパーソンに求められる要件について伺います。近著に「武器としてのビジネススキル」(PHP研究所)があります。
会社をうまく利用することの意味
船ヶ山さんは、「自分が手がける業種以外は素人だという認識を持つことが大切」だと解説しています。貪欲に情報感度を高めなくてはいけません。
「これは年収1000万円を成功だと誤解している人がハマりやすい罠の一つですが、誰もが年収1000万円を超えた辺りから、自分は何でもできる『神』だと錯覚する傾向にあります。しかし、それは幻想であり、勘違いです。どれだけ年収を上げようと、すべてのことを完璧にこなすことなどできません」(船ヶ山さん)
「営業トップの成績で年収が高くとも、経理についてはまったくの素人だという人がいます。今の会社で一生を終える、転職しても営業一本でやり切るという人は経理のことなど学ぶ必要はないかもしれません。しかし、『起業』という選択肢があるとしたら、経理や管理、総務のことも、ある程度、知っておく必要があります」
自分が実務として行うのではなく、だまされない知識を最低限持っておくことが大切だということになります。確かに、経理や管理、総務のことがまったく分からなければ、後から足をすくわれることにもなりかねません。
「会社にいる今なら、給料をもらいながら専門家の情報を『無料』で学ぶことができます。分からないことは、一緒に働く別部署の仲間に直接、聞けばいいからです。社内にはさまざまな部署があり、その分野の専門家が働いています。身近に聞ける人がいる間は、聞かなければ損です。彼らは、その分野の専門家です」
「会社を辞めてから同じことを学ぼうとすれば、莫大(ばくだい)なお金がかかることを忘れてはいけません。これは、当時の会社の人にお金を払うということではなく、経理や税務のことであれば、税理士さんにお金を払って教えてもらうことになるということです。これは非常にもったいないことです」
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