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大量廃棄問題も注目 「恵方巻き」が関西から全国に広がった理由

節分前後、廃棄物が倍に…

昨年の節分後に送られてきた食品廃棄物(日本フードエコロジーセンター提供)
昨年の節分後に送られてきた食品廃棄物(日本フードエコロジーセンター提供)

 2017年、大量廃棄された恵方巻きの画像がSNS上で拡散され問題になりました。また、今年1月11日には、農林水産省が7つの業界団体に対し、需要に見合った販売を行うよう文書で呼びかけました。文書では、2018年に前年実績で製造を行い、廃棄量削減に成功したヤマダストアー(兵庫県太子町)の事例を紹介しています。

 廃棄対策について、イオンリテールの担当者は「当社の場合、ほぼすべての巻き寿司を店内で巻いており、その日の売れ行きを見ながら調整します。天候などさまざまな要因から発生する計画との差を、店内の製造調整によって最小限に抑えています」と説明します。

 セブン&アイHDの担当者は「イトーヨーカドーでは、綿密な販売計画に基づき原材料を仕入れています。商品の9割は店内で製造しており、当日の来客を見て製造量を判断します。閉店時間が近づいた際は、値引きなどを行い売り切っているため、廃棄はほとんど出ていません。この他、予約販売を強化し、ロス削減に取り組んでいます。恵方巻きに限らず、食品ロスについてはグループの重点課題として削減に取り組んでいます」と話します。

 食品リサイクル事業を手掛ける日本フードエコロジーセンター(相模原市中央区)には、食品工場やスーパー、百貨店などから1日35トンの食品廃棄物が送られてきます。集められた食品廃棄物に水や添加物などを加え、1日42トンの飼料を製造します。

 高橋巧一社長は「食品工場から送られてくる食品廃棄物は、節分の1週間ほど前から節分の翌日ごろまでは通常の2倍程度に増えます。恐らく、恵方巻き関係の食品廃棄物が増えているのだと思います」と話します。

「2017年に恵方巻きの廃棄が注目されて以降、各企業は食品ロスをなるべく減らそうと努力しています。一方、リサイクルに回さずに各自治体に焼却処分させる事業者も多いです。一般廃棄物の処分にかかる費用は年間約2兆円とされていますが、そのうち食品廃棄物の処分費用は4~5割。単なる『もったいない』で終わらせるのではなく、私たちの税金が使われているという意識を持つことも大切だと思います」(高橋さん)

 ちなみに、農林水産省と環境省は、2015年度の食品廃棄物(飼料になったものなどを含む)は2842万トン、そのうち、本来食べられるにもかかわらず捨てられた「食品ロス」が646万トンと推計しています。

 今年の恵方は「東北東」。無病息災とともに、地球のことも思いつつ、恵方巻きを味わってはいかがでしょうか。

(オトナンサー編集部)

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