オトナンサー|オトナの教養エンタメバラエティー

大量廃棄問題も注目 「恵方巻き」が関西から全国に広がった理由

節分に食べると縁起がよいとされる「恵方巻き」。元々は関西の風習とされますが、なぜ「全国区」になったのでしょうか。

イオンの恵方巻きの一つ「自慢の具材たっぷり海鮮招福巻」(イオンリテール提供)
イオンの恵方巻きの一つ「自慢の具材たっぷり海鮮招福巻」(イオンリテール提供)

 あす2月3日は節分です。スーパーの店頭には「恵方巻き」がずらりと並びますが、元々は関西の風習とされる恵方巻きが、なぜ「全国区」になったのでしょうか。一方で、近年、売れ残りの恵方巻きの大量廃棄が問題となっています。今年は、農林水産省が業界団体に対し、需要に見合った販売を行うよう要請するなど、例年にも増して恵方巻きが注目されています。

風習から「ごちそうメニュー」へ

 恵方巻きとは、節分に恵方(その年に最も良いとされる方角)を向きながら太巻き寿司を食べる風習です。「縁を断ち切らないよう」切り分けずに無言で願い事をしながら丸かじりするのがよいとされ、関西地方発祥といわれます。ミツカン(愛知県半田市)によると、2018年の節分に恵方巻きを食べた人は全国平均61.1%、近畿地方では7割を超えたそうです。

 総合スーパー「イオン」などを運営するイオンリテール(千葉市美浜区)の担当者は「25年ほど前には関西圏の店舗で販売していました。10年ほど前から、全国の店舗で販売を強化するようになりました」と話します。

 全国での販売強化は、「恵方巻きそのものの認知度が上がり、恒例行事として浸透したためです。『その年の恵方を向いて、何も話さず、一本丸ごと食べきる』という無病息災祈願の行事に家族で気軽に参加できることから、全国的に親和性があったと考えています。節分当日の曜日などに影響を受けますが、売り上げはおおむね伸びています」。

 総合スーパー「イトーヨーカドー」などを傘下に置くセブン&アイ・ホールディングス(東京都千代田区)の担当者も「関西圏で恵方巻きが売れているという情報をもとに、約20年前に首都圏で販売を始めました。15年ほど前から販売を強化していますが、売り上げは年々右肩上がりで伸びています。風習から『夕食のごちそうメニュー』に変化しており、より高品質な商品の需要が高まっています」と説明します。

 イオンリテールは「今年は2月2日から3日にかけて販売します。和風の太巻きやサラダ巻きの人気が根強いですが、近年は上質な海鮮具材を使用したこだわりの太巻きが人気です」、セブン&アイHDは「2月3日まで販売します。15種類前後の商品を販売していますが、毎年、海鮮系の恵方巻きの売り上げが伸びています」としています。

1 2 3

コメント